JLL(ジョーンズラングラサール(株))は6日、2013年第4四半期のアジア太平洋地域の不動産調査レポート「アジア パシフィックプロパティダイジェスト」日本版を公表した。
東京Aグレードオフィスの賃料は共益費込みで1坪当たり3万1,812円(前期比0.2%上昇、前年同期比2.4%上昇)となり、小幅ながら7四半期連続の上昇となった。空室率は3.4%(前期比0.9ポイント低下、前年同期比0.8ポイント低下)で、2四半期連続で低下。大手町・丸の内エリアで大幅な改善がみられた。
12ヵ月の見通しでは、過去10年平均を上回る新規供給の予約契約率は総じて70%程度となっており、空室率は一層低下する見通し。今後12ヵ月にかけ賃料はゆるやかな回復を持続すると予測している。投資市場については、投資利回りに一層の低下圧力が加わることから、価格は賃料を上回るベースで回復する見込みとした。
大阪Aグレードオフィスの賃料(共益費込み)は1坪当たり1万5,578円(前期比0.2%下落、前年同期比1.4%下落)と、10四半期連続の下落となったが、下落幅は2四半期連続で縮小した。空室率は11.3%(前期比1.2ポイント減)と大幅に改善した。特に「グランフロント大阪」での改善が顕著であった。
12ヵ月の見通しでは、景気の回復と限定的な新規供給を背景に、空室率は大幅に低下する見通し。「グランフロント大阪」で14年の複数大型移転が決定しており需給も改善する見込みとなった。これを反映して賃料は底入れし、緩やかな上昇基調に転じるとみられる。投資市場については、投資意欲の高まりに対し、投資物件が稀少であること等により価格は引き続き上昇、投資利回りに一層の低下圧力が加わると予測した。
同社では、「東京Aグレードオフィスの賃料は改善が続いているもののやや小康状態。ただし、企業業績は好調であり、今後も良好な需給関係が継続する」と分析した。