国土交通省は28日、「民間住宅活用型住宅セーフティーネット整備推進事業」において、補助金不正受給による逮捕者が出たことについて、現時点での対応状況などを公表した。
逮捕されたのは、申請者である会社の代表取締役と、代行申請者。空き家戸数が1戸だったにも関わらず、15戸に水増しして申請し、補助金1,500万円を不正に受給した疑いで逮捕に至った。
2013年4月に、国交省に対して同事業補助金の不正受給があるという通報があり、通報のあった103件のうち申請を取り下げた67件を除く、36件の現地調査を実施。このうち19件で不正受給を確認し、このうち、特に悪質な2件について今年4月30日に大阪府警に刑事告発していた。補助金未払いだった16件でも不正な交付申請を行なっていることが発覚し、交付決定を取り消している。
なお、国交省では12年度の事業案件5,833件のうち、「空き家戸数20戸以上」「空き家率100%かつ10戸以上」「申請が10件以上ある申請者の案件」など100件を抽出して現地調査を実施。16件について不正受給の事実が発覚した。要件に不適合の住戸の申請や工事内容を減少したにも関わらず、減少していないものとして完了実績を報告しているなどといった不正が多かった。
再発防止策として、建築士および宅建業者による対象住宅要件の確認や建築士による工事内容の確認といった対策を行なった。また、12年度事業について継続して調査するのに加え、同事業が予算計上された2010年度事業、13年度事業についても調査を実施する。悪質なものについては必要に応じて警察への告発も検討する。