積水ハウス(株)は29日、独自の「住宅防災」の考え方を基軸にした「防災未来工場化計画」として、東北工場(宮城県加美郡)において、平常時にも災害時にも役立つスマートエネルギーシステムを構築することを発表した。
既設の太陽光発電設備に加え、新たに大型蓄電池、ガスエンジン発電機、エネルギー管理システム(FEMS)などを導入。システム構築により、契約電力を700kw(一般家庭の約233世帯分)下げることができるため、平時には地域の電力ピークカットに貢献する。また、エネルギー管理システムの導入により、工場内主要設備のエネルギー利用状況を「見える化」し、さらなるエネルギー使用量削減につなげていく。
災害時には、蓄電池・発電機および太陽光発電の3電源から、事務所棟と避難所として活用する工場敷地内併設の「東北・住まいの夢工場」に電力を供給。電力の供給が可能となることで、水、ガスの供給も可能とした。なお、これらの設備は2015年2月までに導入、稼働する予定。
また、防災備蓄を強化し、東北地域のオーナーへの緊急サポート拠点としてだけでなく、災害発生時には近隣エリアの避難所となる必要最低限の電気・水・ガスを確保する。さらに、色麻町との防災協定に基づき、住民、地域組織とも防災連携を深め、実践的訓練を実施し、災害に強いコミュニティづくりに貢献し、地域全体の防災力を高めていく。
今後は、行政や住民、地域組織と企業による先進的な連携モデルとして、全国の生産工場、物流拠点の「防災未来工場」化を推進し、各地域で安全・安心を地域社会に提供していくことを目指していく。