不動産ニュース / 調査・統計データ

2015/2/3

東京都心Aクラスビル賃料上昇、坪3万円台を継続/三幸エステート調査

 三幸エステート(株)は3日、(株)ニッセイ基礎研究所と共同開発した成約賃料に基づくオフィスマーケット指標「オフィスレント・インデックス」2014年第4四半期(10~12月)版を公表した。

 東京都心部のAクラスビル(延床面積1万坪以上、基準階貸室面積300坪以上、築年数15年以内)の賃料は3万573円/坪(前期比0.8%上昇、共益費を除く)。競争力のあるビルを中心に、募集賃料の引き上げの動きは広がるが、依然として成約賃料への影響は限定的だった。
 空室率は、4.0%(同1.0ポイント低下)と大幅に低下。08年第4四半期以来の低水準となり、5期連続の改善となった。

 また、今期よりBクラスビル(基準階貸室面積200坪以上でAクラスに含まれないビル。築年数経過でAクラス対象外となったビルを含む)のデータも公開。賃料は1万7,132円/坪(前期比1.9%下落、共益費を除く)と低下したが、12年第3四半期を底に緩やかな上昇傾向が続いている。
 空室率は、3期連続で4.5%(同増減なし)となり、11年第1四半期をピークに続いていた低下傾向は下げ止まりの様相を呈し、需給バランス改善が停滞する兆し。今後はAクラスビルを中心に新規供給の増加が予想されており、新築ビルへのテナント誘致でターゲットとなりやすいBクラスビルでは、二次空室の顕在化も懸念される。

 賃料の対前年変動率は、Aクラスビルが10.1%増と11期連続の増加。Bクラスビルは3.3%増となり、14年第2四半期を除いて9期連続での増加となっている。両クラスとも上昇サイクルにあるが、上昇ペースはピークアウトしており、下降サイクルへ向かう兆しも出始めている。

 東京都心3区(千代田区、中央区、港区)の大規模ビル(基準階貸室面積200坪以上)の賃料単価(共益費を除く)は、1万6,211円/坪(同5.0%下落)と低下。空室率は4.1%(同0.6ポイント低下)と3期連続5%を下回った。

 1994年第1四半期を100とする都心3区の規模別賃料指数は、「大規模」が74(同4ポイント低下)、「大型(基準階貸室面積100坪以上200坪未満)」は72で2ポイント低下、「中型以下(同100坪未満)」は79と2ポイント上昇した。

 都心3区の賃料対前年変動率は「大規模」が0.8%減、「大型」が1.3%減、「中型以下」0.4%増となった。

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