優良ストック住宅推進協議会(会長:和田 勇積水ハウス(株)代表取締役会長兼CEO)は13日、連合会館(東京都千代田区)で「スムストックシンポジウム2015」を開催した。
同協議会は、住宅メーカー10社で構成。一定基準をクリアした住宅を、「スムストック住宅」として認定し、独自の建物評価を実施して土地・建物の価格を分離表示する試みを行なっている。
冒頭挨拶した和田会長は「日本の住宅は築20年程度で価値がゼロになり、30年以内で取り壊されてしまうという実態がある。住宅供給会社として、そのように短期で自分たちが建てた住宅を壊されてしまうのは忍びない。そこで、スケルトンを50年、インフィルを15年の償却期間にして算定し、自分たちで責任を持って流通させようと考えた。加盟10社で353万戸の既存住宅があり、年間約14万戸が売買されている。そのうち、協議会会員が仲介しているのは年間1,200戸。これを、数年で年間1万戸にしたい」と述べた。
シンポジウムでは、国土交通省住宅政策課長・坂根工博氏が講話。坂根氏は、戦後の住宅投資総額890兆円に対して2013年の住宅資産評価が350兆円と毀損している実態を提示し、投資額に見合った市場規模に成長させるための中古住宅流通活性化施策を説明した。
また、日本大学経済学部教授の中川雅之氏が「中古住宅市場活性化がもたらすもの」と題して基調講演。住宅ミスマッチや空き家問題、情報の非対称性など各種の問題を指摘。米国の住宅市場との比較により、市場を分析した。
その後、「土地・建物価格分離表示が市場にもたらすもの」をテーマにパネルディスカッションを実施。同協議会代表幹事の中林昌人氏をモデレーターに、坂根氏、中川氏、(株)リクルート住まいカンパニーSUUMO編集長の池本洋一氏、アットホーム(株)シニアリサーチャーの岩田紀子氏、(株)東京カンテイ不動産調査部副部長の伊藤嘉道氏をパネリストとして、活発な議論を行なった。