


三菱地所(株)は、「フロント」ブランド等で展開する総事業費100億円前後の中規模ビルの供給を加速する。大規模オフィスビル並みの環境・安全対策や快適性、地域特性を生かしたデザイン・設計などで差別化。年間4、5棟ペースで供給していく。
最新物件としてこのほど竣工した「フロントプレイス御成門」(東京都港区)は、都営三田線「御成門」駅徒歩1分に立地。建設地は、パナソニック東京支社ビル跡地で、芝公園や東京タワーを望む交差点角地という好立地。
建物は、地上8階地下1階建て、延床面積は約8,700平方メートル。基準階は約250坪で、2分割で利用が可能。芝公園や東京タワーの眺望を生かすため、ビル前面を大型のガラスウォールとし、エレベータホールや化粧室などは、天然木や塗り壁などの自然素材や色彩を取り入れた。屋上には、リフレッシュフロアを設けるなど、快適性を高めることで、ワーカーの知的生産性向上へ結びつける。
建築基準法の1.25倍の耐震性、24時間稼働の非常用発電機、テナント用非常用発電機スペースなど安全性を確保。自然換気口、LED自動照度調整などの環境対策で、日本政策投資銀行のDBJグリーンビルディング認証制度で「GOLD」を取得している。テナント募集はこれからだが、すでに数フロアに引き合いがある。募集賃料は、周辺同規模ビルの1~2割アップを目指す。
6日会見した同社代表取締役専務執行役員の合場直人氏は「総事業費100億~300億円の中規模ビルは2000年から事業化しており、これまで50棟ほど手掛けている。丸の内のビルは世界と戦うためのビルだが、中規模ビルは地域に根差した開発をイメージしている。コンパクトでコストも制約がある中で、大型ビル並みの安全性と、知的生産性が高まる快適で働きやすいオフィスを作ることを意識している。地域のランドマークとして、賃料でもリーダーになれるようなビルを開発していきたい」と抱負を語った。