シービーアールイー(株)(CBRE)は23日、首都圏・近畿圏における2015年第1四半期の賃貸物流施設市場動向を発表した。延床面積1万坪以上のマルチテナント型物流施設について、首都圏(東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県)79棟、近畿圏(大阪府、兵庫県)17棟を対象に調査した。
首都圏では、3棟・6万9,000坪が供給されており、うち2棟が満室稼働。1棟も70%で稼働を開始した。空室率は4.0%と前期の3.8%からはわずかに上昇したものの、堅調な需要が続いている。
今期より、首都圏を4エリアに分けた空室率と実質賃料指数(共益費含む、円/坪)の分析を実施。それによると、空室率は「東京ベイエリア」は4.4%(前期比1.5ポイント上昇)、「国道16号エリア」は4.5%(同1.2ポイント上昇)といずれも上昇。「外環道エリア」は2.1%(同0.2ポイント減)と微減に、「圏央道エリア」は6.1%と前期の10.0%から大幅に低下した。
実質賃料指数は、需給バランスの改善を受けて、「国道16号エリア」では4,020円(前期比同0.5%増)、「圏央道エリア」では3,250円(同0.3%増)と、それぞれ上昇した。
近畿圏では、今期竣工の2棟はいずれも空室を残しての竣工となるなど、テナントの決定ペースがやや沈静化、通常のリーシングペースを示した。空室率は6.0%と、前期の0.4%から大幅に上昇した。
同社では、「首都圏・近畿圏とも既存物件でまとまった面積を確保できる物件は限られており、これから竣工する物件を検討する企業は依然として多い。ただ、テナントサイドはパートタイマーの確保しやすさなどを含めて、より慎重に判断する傾向も見られる」とコメントしている。