不動産ニュース / 開発・分譲

2015/5/25

室内空間拡大できる「サイホン排水システム」を共同開発/野村不、長谷工、ブリヂストン

「サイホン排水システム」モデル。奥が従来の配管。これまで40~75mmあった排水管を20~25mmと細くし、サイホン力で水を引き込むことで、勾配式の排水管の5倍の流水スピードを生み排水する。配管の水勾配も必要ないため、床下高さを低く抑えることができる
「サイホン排水システム」モデル。奥が従来の配管。これまで40~75mmあった排水管を20~25mmと細くし、サイホン力で水を引き込むことで、勾配式の排水管の5倍の流水スピードを生み排水する。配管の水勾配も必要ないため、床下高さを低く抑えることができる

 野村不動産(株)、(株)長谷工コーポレーション、(株)ブリヂストンは22日、3社が共同開発した「サイホン排水システム」を発表。長谷工が施工するマンションのディスポーザー付きキッチン排水に、今年度中に採用する。

 「サイホン排水システム」は、1階層下に水が落ちることで発生する力(サイホン力)を利用して排水するシステム。3社共同で2014年から研究開発を進めてきた。これまで40~75mmあった排水管を20~25mmと細くし、サイホン力で水を引き込むことで、勾配式の排水管の5倍の流水スピードを生み排水する。

 配管の水勾配は必要なく、排水立て管までの距離も、従来の3mから最大14mまで延ばすことができる。配管は無勾配かつ細くできるため床下高さを抑えることができ、その分居室の天井高を上げるなど空間を拡大できるほか、配管距離を取れることでキッチンの設置場所の制約がなくなる。また、階高を抑えることで建設コストを削減でき、高さ制限で難しいエリアでもSI工法の採用が容易になる。流水スピードが速いため配管の汚れが付きにくく、排水立て管を共用部に出すことで、メンテナンス性も向上する。

 同日会見した野村不動産住宅事業本部品質管理部部長の小松久悦氏は「当社はオーダーメイドマンションを得意としているが、このシステムを使うことで階高を抑えることができ、これまで採用が難しかったエリアでもオーダーメイドができるようになる。今後は、トイレや浴室への採用も検討するなど技術の普及と商品企画の充実を図りたい」などと語った。
 長谷工コーポレーションエンジニアリング事業部統括部長の若林 徹氏は「排水トラップの負圧をコントロールするための技術などに時間がかかった。今後は当社の施工するマンションの1割程度に採用したい」とした。
 ブリヂストン建設資材開発部部長の向井 章氏は「当社はマンションの樹脂配管システムのパイオニアであり、新築マンションでの樹脂配管シェア3割を得ている。このシステムを使って、これまで手を付けてこなかった排水事業も拡大していきたい」と語った。

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