優良ストック住宅推進協議会は26日、スクワール麹町(東京都千代田区)で総会を開催。会長の和田 勇氏(積水ハウス(株)代表取締役会長兼CEO)が記者会見した。
同協議会は、住宅メーカー10社およびグループの不動産流通会社で構成する任意団体で、2008年に会員各社が供給した住宅の中古流通活性化を目的に設立。住宅履歴の整備や50年以上の長期点検・補修制度の維持などといった基準をクリアした会社が供給した戸建住宅を「スムストック」と呼称。
スムストックの査定は、独自資格である「スムストック住宅販売士」が実施し、仲介も行なう。査定では、住宅のスケルトン部分の償却期間を50年、インフィル部分を15年と設定。リフォーム等の履歴も勘案し、スケルトン6割・インフィル4割の割合で査定価格を算出する。
14年度のスムストック成約数は1,297件で、前年度に比べて約70%増。同協会設立以来初めて成約1,000件を超えた。これまでの累計成約数は3,741件となった。14年度の成約については、一般の不動産会社からの客付けが約半数になった。
これまでの成約物件を分析すると、築20年以上の物件は27.6%。築年別の建物査定額の平均値は築21~25年で615万円、築26~30年で452万円、築31年以上が273万円。築21年以上の平均値は517万円だった。成約事例の中で最も古いのは築39年・建物価格262万円と査定された。査定価格と成約価格のかい離率は1.8%、成約期間も「おおむね3ヵ月以内には成約できている」(事務局)という。
会見で和田氏は、「住宅市場は、これまでのようなスクラップ&ビルドが通用する時代ではない。古い家を長持ちさせ、リフォーム・リノベーションによって長く住み続けられるようにすることが重要。良質な家ならば50年、60年住み続けて売却しても価値が認められるような市場にしなくてはならない」と述べた。
当面の目標については、「成約件数は市場規模に比べるとまだまだ少ない。早期に年間1万件を成約できるよう、会員各社に呼びかけていく。同時に、スムストックの認知度も上げていかなくてはならない。年間1万件規模になれば、新たな住宅流通手法の指針として、業界に提案できる」(和田氏)と抱負を語った。