不動産ニュース / その他

2015/9/7

共同建て替え、マンション取り込んだ都市開発を誘導する仕組み作りを/東京都、住宅政策審議会が答申

 東京都住宅政策審議会(会長:小林秀樹千葉大学大学院教授)は3日、「東京におけるマンション施策の新たな展開について」を答申した。

 都内には約168万戸のマンションが存在しており、これは全国のマンションの4分の1以上に相当するが、これらマンションで「建物の老朽化」と「居住者の高齢化」の2つの老いが進行していると指摘。
 都内のマンションストックの2割超が旧耐震基準での建築であるものの、築40年以上の約4割が指定容積率を超過しており、単独での建て替えが困難となっている。さらに居住者の高齢化では、世帯主が60歳以上の割合が2008年の39.4%から13年には50.0%と急増。管理不全に陥るマンションの増加が危惧されている。

 管理組合は適正管理や再生に向けた努力などを通じ、地域社会に対する責務を果たす必要があり、また行政も、専門家や関係団体等と連携して、管理組合の取り組みを支援することが必要であると指摘。大きく「マンションの適正な管理の促進」と、「老朽マンション等の再生の促進」について、提言している。

 「マンションの適正な管理の促進」に向けては、マンション管理ガイドラインやマンション管理アドバイザー制度を充実させ、管理組合などに積極的に周知すること、マンション管理に関する情報ポータルサイトを開設し、普及啓発・各種支援制度の情報提供を行なうこと、管理不全の兆候のあるマンションを把握し、重点的な支援・指導を実施することなどを提案。
 「老朽マンション等の再生促進に向けて」は、建て替え、改修、敷地売却等に対応した支援メニューを用意するほか、高齢居住者に対する仮住居・住み替え先の提供・斡旋といった支援の強化が必要と指摘。また都市開発制度を活用した敷地の統合・再編による共同建て替えやマンションを取り込んだ都市開発誘導する仕組みを検討することについても示唆している。
 なお、緊急輸送道路や避難路の沿道マンションなど、公共性の高い場所のマンションを重点化し、集中的に施策を実施すべきである、とも指摘している。

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