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2015/10/28

UR都市機構、60年間の団地づくり手法などを公表

「平成27年度 UR技術・ 研究報告会」(東京)には約560人が参加
「平成27年度 UR技術・ 研究報告会」(東京)には約560人が参加
国内外の著名な集合住宅を例に、日本における暮らし方の変化を説明した隈氏
国内外の著名な集合住宅を例に、日本における暮らし方の変化を説明した隈氏
「ミニ集合住宅歴史館展」の様子。日本住宅公団発足当初の団地で使用されていたキッチンやバスなどを展示
「ミニ集合住宅歴史館展」の様子。日本住宅公団発足当初の団地で使用されていたキッチンやバスなどを展示

 (独)都市再生機構(UR都市機構)は28日、国土交通省の住生活月間(10月)の取り組みの一環として「平成27年度 UR技術・研究報告会」(東京)を日経ホール(東京都千代田区)で開催。約560人が参加した。

 今年度、同機構の前身である「日本住宅公団」設立から60周年を迎えたことから、「60年 まちと一緒にこれからも。―知恵と技術で生み出す未来―」をテーマに、調査・研究等の成果や今後のまちづくりの取組状況7テーマについて報告したほか、東京大学教授、隈研吾建築都市設計事務所代表の隈 研吾氏による特別講演と、会場ロビーにて「ミニ集合住宅歴史館展」も行なった。

 冒頭、同機構理事長代理の石渡廣一氏は「日本住宅公団発足当初の住宅大量供給から、社会のニーズに合わせてその役割を変化させてきた。現在は都市再生、賃貸住宅経営、団地再生、ニュータウン事業をメインに展開している。当報告会では、60周年を大きなくくりとしてこれまで取り組んできた調査研究や技術を一定の成果としてまとめた。これらノウハウをまちや都市、住宅づくりに生かしていく」と述べた。

 報告会では、公団住宅からUR賃貸住宅までの60年間の住まいづくり、URストックの維持修繕におけるさまざまな取り組みなどを発表した。
 1955年の日本住宅公団発足当時から現在までの住宅づくりについて紹介。住宅開発では、社会構造の変化等に対応し、効率や品質の確保等に配慮した構造や間取り、住棟配置を実施。また、共用廊下側に主開口部を設け閉塞感を解消した片廊下型の間取りや通りの景観形成やにぎわい創出のための“離れ”付きプラン等の実験的住戸にも着手してきた。
 近年はストック活用に軸足が移っていることから、性能向上を目的としたさまざまなリノベーションを展開。これまではメインストックである昭和40年代~50年代前半の中層階段室型住棟への対応がメインであったが、昭和50年代後半~平成にかけてのストック再生についての手法も現在、研究中であるとした。

 特別講演の隈氏は、ヨーロッパや日本の著名な集合住宅等を例に、日本における集合住宅の間取りや暮らし方の変化を説明。今後は、「シェア」「環境」「コミュニティ」がキーワードになるとし、「これまで主力顧客層だったファミリー世帯以外の人々を取り込む柔軟な住宅が求められていく」と述べた。
 また、同氏が携わってきた横浜市磯子区の「洋光台団地」再生プロジェクトについても言及。「日本流のこれからの住まい方を団地を核にして発信していきたい」とした。「団地の未来」プロジェクトとして、2016年中に着工予定の団地共用空間のリノベーションイメージについて紹介した。

 展示会では、昭和30年代の暮らしの雰囲気や住まいづくりの歴史を感じられるよう、実寸大住戸プランの上にステンレスキッチンやダイニングテーブル、浴槽等を設置するほか、過去の募集パンフレット、団地案内板、集合名札、公団銘板、当時の設計思想スケッチなどを公開した。

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