(株)矢野経済研究所は2日、ビル管理市場に関する調査結果(2015年度)を発表した。
ビルの清掃、設備管理、警備業務等の受託サービスを行なうビル管理事業者等を対象に、7~9月にかけて同社専門研究員が取材。電話アンケート調査や文献調査も併用して算出した。
14年度のビル管理市場規模(元請金額ベース)は3兆6,633億円(前年度比2.9%減)。前年度の消費税増税に伴う駆け込み需要などの反動から、上期は工事分野の受注に落ち込みがみられた。一方、下期は工事分野の需要を堅実に獲得するなど受注が増加したことで、前年度比ほぼ横ばいの水準で推移した。
また、総合的なビル管理業務が求められているため、今後は日常的なビル管理業務だけでなく、建物の維持管理、オフィス環境の改善や更新等の工事、メンテナンス、エンジニアリング分野まで、幅広いサービスを提供することのできる事業領域を確立することが必要であると言及。グローバル展開も視野に、大手企業にとどまらず、国内の有力な企業においても積極的な展開が期待されるとしている。
15年度の市場規模は、消費税増税の影響から脱し、大きな下振れ要因がない中での推移になるとの見込みにより、3兆8,174億円(同4.2%増)と予測。より高品質な業務サービスが提供される環境が整いつつあり、リニューアル工事等も堅調に積み上がっていくことから、市場規模は堅調に推移するとみている。