


三菱地所グループの不動産流通会社、三菱地所ハウスネット(株)は、同社が仲介・管理する賃貸住宅で、「スマートロック」を活用した「無人内覧」を開始する。
同グループは、不動産管理向けシステム・アプリ開発を手掛ける(株)ライナフと資本・業務提携しており、今回の「無人内覧」システムは、同社が製造・販売するIoTデバイス(スマートロック)「NinjaLock」の機能を用い、内覧希望者が自由な時間に、仲介会社にカギを借りに行くことなく、担当者の立ち合いなく内覧できるシステムを共同開発した。
内覧希望者は、事前にホームページで内覧時間を予約。指定時間に、直接物件に行き、スマートフォンやタブレット端末等で専用サイトにアクセスすると、玄関オートロックと住戸玄関を開錠・施錠できる。電話回線からの開錠も受け付ける。
無人内覧住戸には、要所にQRコードを添付してあり、物件スペックや特徴、セールスポイントをウェブで確認できる。内覧予約は1時間ごとに区切り受け付け、予約を受け付けた時間帯は、他の希望者は内覧できない。
「スマート内覧」は、現在入居募集中の三菱地所レジデンス(株)の「ザ・パークハビオ 上野レジデンス」(東京都台東区、総戸数125戸)で、22日から開始。対象住戸は、ワンルームから3LDKまで、各タイプの7戸。顧客の反響を見ながら、来年度から「ザ・パークハビオ」ブランドの賃貸物件や、同社が貸主となる賃貸住宅へ本格導入。顧客満足度の向上と、リーシングコストの低減を図る。
10日会見した三菱地所(株)経営企画室の川本幸二氏は「オンライン重説など、不動産取引のIT化に注目が集まっているが、当社グループもIoTを活用した顧客の利便性向上に積極的に取り組んでいく。ライナフさんと手を組んだのは、同社が単なるハードメーカーではなく、IoTを使った不動産業界のソリューションを考えているからであり、当社とのシナジーが期待できる。今後も、不動産関連のさまざまな事業領域でのコラボレーションを検討していく」などと語った。
なお、「NinjaLock」は、玄関扉のサムターンに被せて粘着テープで貼り付け、スマートフォン等を使い、鍵を開閉する機械。2015年4月に開発、家電量販店で約1,000台の販売実績がある(1万9,800円)。