旭化成ホームズ(株)代表取締役社長の池田英輔氏は11日会見し、2016年3月期決算、中期経営計画等について説明した。旭化成(株)の決算は10日ニュース参照。
当期(15年4月1日~16年3月31日)は連結売上高5,830億円(前期比5.7%増)と5年連続で過去最高を更新。営業利益も同様に過去最高益となり654億円(同10.5%増)となった。
主力の建築請負部門(旭化成ホームズ)は、下期は10月に発生した旭化成建材の杭問題を受け、特に賃貸住宅において集客面での厳しい状況が続いたが、戸建住宅については、展示場や現場での営業活動に注力し、広告宣伝自粛による受注への影響が比較的軽微に留まった。これらの結果、受注高は4,004億円(同5.9%減)、受注戸数は1万7,409戸(同13.4%減)、販売戸数1万8,341戸(同4.9%増)。売上高4,115億円(同1.8%増)となり過去最高を更新した。営業利益は、484億円(同11.1%増)となり、過去最高を記録した一昨年に次ぐ高い水準となった。
不動産部門(旭化成不動産レジデンス)は、分譲事業におけるマンションの販売戸数は719戸。賃貸管理事業での管理戸数は、建築請負部門における「ヘーベルメゾン」の販売増加に伴い管理戸数も増加し、年度末に7万5,000戸を突破。分譲事業では「アトラス調布」(東京都調布市)などの大型物件をはじめ、竣工・引き渡し戸数が増え売上高が大幅に増加。売上高1,141億円(同24.0%増)、営業利益84億円(同22.6%増)を計上した。
リフォーム部門(旭化成リフォーム)は、国による補助事業終了等の影響で、太陽光発電設置工事は大きく減少したものの、高額リフォームを含む改築工事や内装設備工事は増加した。受注高は558億円(同7.8%増)と、依然、高い水準で推移。売上高559億円(同4.2%増)、営業利益65億円(同4.0%増)といずれも過去最高を更新した。
次期は、連結売上高5,730億円、営業利益610億円、建築請負受注高は4,215億円を見込む。なお、住宅事業の期末受注残は5,131億円。
中期3ヵ年計画「Cs for Tomorrow 2018」では、建築請負事業でのシェアアップおよび中長期計画に向けた新たなビジネスモデルの構築を目指す。建築請負事業では、ヘーベルハウスにおいて、引き続き二世帯住宅などの住ソフトの提案を強化。都市部での中層3階・4階建てのシェアを伸ばし、5階建ての販売拡大に注力する。へーべルメゾンでは、コミュニティー型成型賃貸を中心に集合住宅を供給。15年下期より新たに中部・関西でペット共生型賃貸を展開しており、「今後大きなボリュームになってくるとみている」(池田氏)。
また、6~8階建て商品を早急に開発し、中高層市場へ参入。さらに自立型シニア向け住宅を中心に、シニア事業の本格的な取り組みに着手する。加えて、アジア、オーストラリア、アメリカにおいて、マンション建て替えノウハウの提供、サービスアパートメント事業のトライアルなど、新規海外事業を展開していく。
売上高の中長期目標については、消費税増税の影響を織り込み、16年度売上高5,730億円から18年度計画6,400円と若干抑え気味に設定。不動産・リフォーム事業を拡大し売上を伸ばしていく。
「将来の成長を見据え、この3年は積極的に投資する時期と捉えている。25年度のグループ内住宅セグメントの売上高は1兆円弱を計画しており、従来の不動産・リフォームを着実に伸ばし、新規事業として海外・シニア部門での売上増を図っていく」(池田氏)。