(公社)日本不動産学会は20日、「新しいマンション標準管理規約の狙いとポイント-専門家として注意すべきことは何か?」をテーマにセミナーを開催した。
国土交通省「マンションの新たな管理ルールに関する検討会」委員を中心とした5名が、リレー方式でセミナーを実施。
同省市街地建築課マンション政策室課長補佐の長谷川 栄光香氏は、同規約改正の背景とポイントのほか、住生活基本計画の改訂や、住宅団地の再生促進など、最新のマンション政策について紹介。
同検討会座長で、政策研究大学院大学教授の福井秀夫氏は、管理組合における利益相反に関する規範について、「管理者または理事長として、発注先と利害関係のない専門家の登用を検討すること」「管理者や理事長に全権を委ねるようなガバナンス方式は不適切」などと意見を述べた。
(一社)日本マンション管理士会連合会会長の親泊 哲氏は、「管理組合関係者の相談に応じた助言や、管理組合内の『説明責任』の完遂を支援することが必要」などと、マンション管理士の業務や役割について言及。
弁護士の吉田修平氏は、滞納管理費の回収や暴力団等の反社会的勢力の排除、緊急時における専有部分等への立ち入りなど、同規約の法的留意事項について解説した。
また、旭化成不動産レジデンス(株)マンション建替え研究所主任研究員の大木祐悟氏は、今後の管理専門家に必要なのは「基本的知識のほか、実務に関与することで身につけたノウハウ」とし、「他業界とのコラボレーションによる事業を模索していくことも求められる」などと提案した。