


(公社)日本不動産学会は3日、定時総会に併せて業績賞・田中啓一賞の表彰式を開催した。
今回から業績賞に、国土交通大臣賞を新設。不動産学の観点から見て優れたもので、かつ特に不動産政策に寄与する優れた業績を選出・顕彰するとし、初受賞として「大手町連鎖型都市再生プロジェクトにおける三菱地所(株)の取り組み」を選出した。
表彰式には石井啓一国土交通大臣が出席し、三菱地所代表取締役の杉山博孝氏へ賞状を授与した。同氏は、「今回の受章を大変光栄に思う。2003年1月に都市再生プロジェクトとして決定を受けて以来、この4月には第3次事業が完成。5次事業にも着手した。大手町エリアが国際ビジネス拠点となり、東京の国際競争力向上に寄与できるよう、進めて参りたい」と挨拶した。
併せて、田中啓一賞の表彰も実施。(公社)神奈川県宅地建物取引業協会(宅建士試験実施での試験運営および試験運用ハンドブックの作成と活用)、(株)平成まちづくり研究所・(株)リゾン(民間企業主導によるまちづくり区画整理事業の実践)、ケイアイスター不動産(株)(はなまるハウス「はなまる発電所」)を表彰した。
引き続き、「グローバル都市と不動産・住宅の短中期利用」をテーマにシンポジウムを開催。
基調講演には、(株)日本総合研究所理事長の高橋 進氏が登壇。「アベノミクスセカンドステージ ‐ストック活用社会に向けて」をテーマに、アベノミクスの3年間の成果を振り返りながら、今後の課題や住宅ストック活用の方策などについて述べた。
さらに、特区民泊を実施している大田区の松原忠義区長、民泊の実施経験を踏まえ外国人向けの旅館を経営している山本 博氏、「『民泊サービス』のあり方に関する検討会」の座長を務める浅見泰司氏ら6人によるパネルディスカッションを開催。それぞれの立場から、民泊を含めた住宅の短期利用や既存ストックの活用などについて、意見を交換した。