不動産ニュース / 政策・制度

2016/6/22

新たな土地政策、「宅地ストックマネジメントの実現」目指す/国交省

 国土交通省は21日、第29回国土審議会土地政策分科会企画部会(部会長:東京工業大学大学院社会理工学研究科教授・中井検裕氏)を開催した。

 とりまとめの素案を発表。新たな土地政策の方向性として、「国土利用や社会資本整備の戦略に沿って、成長分野の土地需要を確実にとらえ、経済成長を支える土地利用を実現」および「これまでに蓄積された宅地ストックをうまく使い、国民生活の質の向上に資するような豊かな土地利用を実現」を踏まえ、「土地利用の個別条件に対応した最適な活用・管理(宅地ストックマネジメント)の実現」を目指す。

 当面の主な施策として、不動産流通関連では、宅地建物取引士等の経験と能力を生かし、購入した住宅の維持管理やリフォームの促進、住宅の性能や維持管理の状態などを適切に反映した建物評価方法の普及・定着、建物状況調査(インスペクション)や瑕疵保険等を活用した住宅の品質に関する情報提供の充実等推進を挙げた。
 また、仲介時の外国人向け対応の充実化を進めるべく、取引応対に関するマニュアル等の整備、媒介契約約款等の法的文書の英語を中心とした外国語化対応など必要な環境整備などを進める。

 そのほか、空き家・空き地等の新たな流通・活用スキームの構築に向けて、宅建業者をはじめとした連携協議会等が、不要となった空き家・空き地等の寄付による受け入れや売却等により、多様な需要を喚起しつつ空き家・空き地等を地域全体や市場で活用する取り組みを促進。全国の空き家・空き地バンクに登録された物件情報を集約化し、民間の不動産情報サイトとも連携しながら全国に情報発信可能な標準的なシステムの整備を検討する。

 これらは可能なものから順次着手するとし、次の土地政策の検討期に入る3~5年後までに一定の成果を出すことを目指す。

 各委員から大きな修正の指摘はなく、ほぼ素案通りでとりまとめられる予定。
 今後、国土審議会会長の奥野信宏氏(中京大学総合政策学部教授)および土地政策分科会分科会長の御厨 貴氏(東京大学先端科学技術研究センター客員教授)のチェックを経て、7月下旬の部会で最終とりまとめを発表する。

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