NPO法人日本ホームインスペクターズ協会は14日、都内で特別セミナー「宅建業法改正でどうなる?ホームインスペクションがもたらす不動産市場へのインパクト」を開催。約70名が参加した。
同協会が認定している「公認ホームインスペクター」の受験希望者などを対象としたオープンセミナー。宅建業法の改正でホームインスペクションが法的に位置付けられることで、不動産業界がどう変革していくか、また現在のインスペクションビジネスを取り巻く環境などについて、同協会理事長の長嶋 修氏(さくら事務所会長)が解説した。
長嶋氏は「アメリカでのインスペクションは1970年代に生まれたが、本格的に普及したのは90年代に入ってから。日本も、現在のインスペクション普及率は10%未満だが、不動産取引になくてはならない機能として、あと10年以内に7~8割になるはず」と語った。
一方、その普及の過程では「さまざまなインスペクションが出てくる」とし、同協会が進める買い主主導型(自己責任型)のインスペクションと、瑕疵保険の事前検査など売り主主導型(消費者保護)のインスペクションを比較し、「売り主型は、宅建業者との癒着などが問題となり、普及した国はない」と断言。「インスペクションは、本格普及へ移行する前のキャズム(溝)を乗り越えなければならない。この溝を超えるとき、機能が変わってしまったり、フィーが取れなくなってしまったりする。今後は、どう普及させるかがカギだ」などと指摘した。
同協会の特別セミナーは、全国7都市でのリレー開催。宅建業法改正を背景に注目が集まっており、450名以上の動員が見込まれている。