(株)ザイマックス不動産総合研究所は29日、早稲田大学建築学科小松幸夫研究室と共同で、「商業店舗の修繕に関する実態調査 2016」の結果を公表した。
商業施設は、オフィスと比べて不特定多数の人が利用しており、また、不動産を営業に利用しているなどの特徴があるものの、商業施設において事業者が行なう店舗修繕の実態が見えづらい。そこで、商業施設および店舗修繕のレベルの向上を目指し調査を実施した。
調査対象は多店舗を運営・統括する商業事業者4,879社。有効回答は、663社、ヒアリングを実施した13社。
“店舗運営において重視する方針について”は、「お客様の満足」(84%)、「安心・安全」(75%)と回答した事業者が他と比べて多く、顧客満足を重視していることが分かった。また、“緊急性を要する修繕において重視すること”については「営業継続」(32%)、「安全性」(25%)といった設備の故障や破損による二次被害を最小化する項目が半数を占めた。
“設備などの突然の故障や破損で困ったことがあるか”については、事業者の約9割が「よくある」「たまにある」と回答した。
また、その発生原因については、“故障や破損の予兆に気づいていなかったため”(62%)で突出した。
アンケートの自由回答では、「同業他社の取り組みの状況が知りたい」といった情報不足を訴える声が多く、また、「売上とのバランスで修繕は後回しになりがち」、「店舗のP/Lに紐づいているから営業に支障がないと対応が遅くなる」などの意見がみられた。一方で、修繕に積極的な事業者は、修繕業務に対する経営陣の意識が高いことが分かった。