不動産ニュース / 開発・分譲

2020/6/15

渋谷の無人ホテル、コロナ禍も稼働率6割維持

「Re:ONcE Shibuya」外観。1階はレストランが入居
チェックインは無人で対応。各室の前の端末を操作して、本人確認が済むとカギが開く

 リスト(株)グループのリストプロパティーズ(株)は15日、16日開業する同グループ初のホテル「Re:ONcE Shibuya(リ・ワンス渋谷)」(東京都渋谷区、客室数3室)を関係者に公開した。

 同施設は、JR山手線他「渋谷」駅徒歩9分、京王井の頭線「神泉」徒歩3分に立地。鉄骨造地上5階建て、延床面積333.07平方メートル。築15年の事務所兼店舗ビルを、2019年9月に取得。2~4階部分をリノベーションし、ホテルに用途変更したもの。改修費用は、約3,800万円。同グループはこれまで民泊の運営経験はあったが、ホテル運営は行なっていなかったため、新たに旅館業の営業許可を取得している。

 スマートレジデンシャルホテル運営代行のZens(株)に運営を委託。IoTを活用した遠隔チェックインシステムや、緊急時の駆け付けサービス等により、現地スタッフを置かずに運営していくのが特徴。客室は、すべて面積約30平方メートル。

 フロアごとに異なるテーマで改修しており、日本の伝統的な空間要素「しきり」「縁側」「続き間」を、現代的にリデザインした。4~8名利用を想定。長期利用に対応して、キッチンや調理器具、洗濯乾燥機、Amazon Fire TVも備えた。宿泊料金は1人一泊5,000円~。

 今年3月末に完成、5月のゴールデンウィークには開業する予定だったが、新型コロナ感染症による緊急事態宣言を受け、開業を1ヵ月余り延期した。Airbnbを通じてインバウンドやビジネス客にアピール。インバウンド需要がほとんど見込めない中でも、7月末までの稼働率6割強を確保した。

 同事業を手掛けた同社の鈴木 篤主任は「無人で運営できるため、低稼働でもコストはほとんどかからないが、コロナ禍でもこれだけの稼働を確保できたことは自信につながっている。このホテルを成功事例とすることで、類似のホテルの展開へつなげていきたい」などと語った。

「縁側」をテーマにした客室。床が戸上がり状になっており、腰をかけられる
「しきり」をテーマにした客室は、壁と引き戸で寝室や水回りを仕切りながら、ダイニング等は大人数で利用できるよう広々とした空間にしている

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