(株)三好不動産は26日、全国賃貸管理ビジネス協会セミナールーム(東京都中央区)にて、「LGBTフレンドリー対応」についての勉強会を開催。アセットマネジメント・プロパティマネジメント・ビルマネジメント会社のスタッフ、報道陣らが出席した。
LGBT当事者で、同社テナント事業部の原 麻衣氏が登壇。LGBTの用語解説や日本におけるLGBTの現状などについて説明した。同氏は、「性のあり方はグラデーション。一人ひとり違うのが当たり前で、なおかつ生まれつき固定されるものではない」と言及。日本人の11人に1人、東京都(23区)においては約87万人がLGBTだが、「リスクはあるがメリットはない」(同氏)などの理由から、8割ほどがカミングアウトできない現状があることを明かした。
2016年から始めた同社の「LGBT対応」の取り組みも披露。LGBTフレンドリーを示すレインボーマークを全社員・全店で表示、社内研修によりLGBTへの理解を深めるなどにより、「LGBTに限らず、お客さまに寄り添える力が身に付き、スタッフ一人ひとりのホスピタリティの向上につながった」(同氏)という。SNSでの情報発信にも注力し、7年間で約150組の同性カップルに住居を提供している。
なお、同氏は7年間の取り組みを振り返り、「同性カップルで入居できる部屋がまだまだ少ない。オーナーや事業者にLGBTへの理解を深め、“アライ”(英語で同盟・支援の意味)の気持ちを持って支援していただきたい」と話した。その上で、「LGBTを“特別視”せず、自然体で接することが不動産会社には求められている」と締め括った。