大和ハウス工業(株)は18日、同社が開発し、1972年に販売を開始した大規模住宅団地「上郷ネオポリス」(横浜市栄区、総開発面積約46万平方メートル、総戸数846戸)内に地域コミュニティ拠点「創テラス」をグランドオープンした。
同社は2016年に地元自治会、高齢者支援団体、大学らと「まちづくり協議会」を設立して以来、同エリアのまちづくりに対して伴走支援を続けている。19年には、「上郷ネオポリス」バス停の前にコンビニエンスストア併設型のコミュニティ施設「野七里テラス」を開設するなど、産官学民が連携した持続可能なまちづくりに向けた活動を実践している。
今回オープンした「創テラス」は、同社が開発して当面保有。同エリアのまちづくり団体として19年に発足した(一社)横浜上郷ネオポリスが使用貸借して運営・管理を担う。施設の運営については、地域住民数人による「タウンクリエイター」が常駐し、予約受付等を行なう。
敷地面積は169.80平方メートル、木造2階建てで延床面積は134.89平方メートル。1階は、子供たちの遊び場や学生の勉強の場として使えるキッチン付きの「サロン」スペースと、気軽に使えるフリースペースで構成。2階は多目的スペースとして、ワークショップやカルチャースクール、会議などに使うことができる。
同施設には、「地域の困りごと相談所」を設け、タウンクリエイターが地域住民の住まいや暮らしの困りごとに関する相談を受け付け。相談内容に応じて同エリアのまちづくりに協力している企業や団体、行政の窓口を紹介する。大和ハウス工業では、協力企業や団体の選定・連携体制を構築するほか、事業スキームの検証や改善提案を行なっていく予定。大和ライフネクスト(株)が提供するリフォームや生活、保険、賃貸売買などを提供する「暮らすプラス」も導入するなど、大和ハウスグループ各社とも連携していく。
横浜上郷ネオポリスでは、同施設を核としたさまざまな課題に関する実証を行なう計画。具体的にはコミュニティ施設の運営管理方法のほか、企業との連携や地域コミュニティに関する情報発信、地域の困りごと相談所の運営などについて検証していく。大和ハウス工業では伴走支援を継続し、将来的には創テラスを横浜上郷ネオポリスへの寄贈なども検討していくという。
横浜上郷ネオポリスの代表理事で、同エリアに長く住む吉井信幸氏は「以前は、都市近郊の限界集落と揶揄されたエリアだが、地域内でヒト・モノ・カネが回るシステムを構築することで持続可能なまちとしていきたい。この施設を地域の人たちがより気軽に使える施設として運営することで、まち全体が家族のようなエリアにしていきたい」などと話した。
