不動産ニュース / 開発・分譲

2025/11/4

オープンハウスG、ホテル事業を新たな収益の柱に

「KUON(クオン) 箱根強羅」外観
ラウンジ。カウンターは地元真鶴産の小松石張り。宿泊客はチェックインと同時にお茶のもてなしを受ける
自然素材を多用した和モダンの客室。4室には窓の外に露天風呂も設置。サッシを開けるとそのまま湯上りにくつろぐスペースとなる

 (株)オープンハウスグループは10月31日、直営ホテル事業の初弾となる「KUON(クオン) 箱根強羅」(神奈川県足柄下郡、総客室数14室)を報道陣に公開した。グループのリソースを生かした新たな収益源として、今後全国展開する。11月8日に開業する。

 同社は地方創生の取り組みとして、群馬県みなかみ町でシェア別荘型のホテルを共同開発するなどしてきた。ホテル事業への参入に当たり、(株)オープンハウス群馬の完全子会社として、ホテル・リゾート施設の開発・運営を手掛ける(株)オープンハウス・ホテルズ&リゾーツ(東京都千代田区、代表取締役:渡部達也氏)を2024年10月に設立。一から土地を仕入れて建物をつくるだけでなく、低コストで工期が短く、環境負荷も低い既存建物の改修をメインに取り組んでいく。

 同施設は、箱根登山鉄道「強羅」駅からタクシーで約5分に立地。敷地面積約2,200平方メートル、建物は鉄筋コンクリート造地上2階地下1階建て。延床面積約900平方メートル。08年築。もともとペットホテルとして営業していた建物を再生した。総工費は非開示。

 旅館・ホテルのメッカである箱根エリアで「唯一無二のデザイナーズホテル」として差別化を図る。お茶と和菓子がテーマ。チェックイン時にラウンジでお茶でもてなすほか、ティーラウンジでは和菓子作家監修の和菓子とお茶のマリアージュ体験を提供。ティーカウンターでは自分好みのお茶やお茶にちなんだ創作カクテルなどが楽しめる。夕食は茶懐石のエッセンスを取り入れ、お茶をペアリングしたコース料理を提供する。これらの体験はすべて宿泊料金に含め、ゆったりと過ごしてもらうため、チェックインも13時とする。

 客室は従前の部屋割りは変えず、広さ42平方メートル4室と32平方メートルが10室。いずれにも源泉かけ流しの部屋風呂を設け、42平方メートルの部屋は露天風呂とした。床のサイザル麻や布クロス、ベッドには麻の天蓋など天然素材を多用。スケルトン仕上げで最大天井高は3,500mm。テレビは置かず、室内照明もあえて暗くして、窓から注ぎ込む自然の明かりを楽しめるようにしている。

 共用部は、建物中央にあったペットバスを植栽豊かな中庭に、大浴場はティーラウンジへと改修した。フロントは廃してキッチン機能を持たせた巨大な石張りのカウンターを設置。共用部はエントランスを含め自動ドアは一切使わず、手動の引き戸としているのも特徴。外観は、アクセントタイルの施工などごく一部の手直しにとどめている。

 メインターゲットは、30~40歳代の夫婦・カップル、和の体験を求めるインバウンドなど。「温泉に浸かりたいのであれば他にいくらでも選択肢がある。このホテルの価値観に強く共感していただいた方に、新しい体験価値を提供していきたい」(渡部氏)。宿泊料金(夕朝食ドリンク含む)は1人4万2,000円から。通年稼働率70%以上、平均客単価は5万~6万円を目指す。8月1日より宿泊予約の受付を開始。10月31日にホームページをオープンして、本格的な営業に入った。

 同社は26年冬に、群馬県みどり市でもホテルを開業予定。今後も、既存施設の改修をメインに、全国で直営ホテルの展開を進めていく。

大浴場を改装したティーラウンジでは、和菓子作家の監修のもと「二菓三茶」のお茶のマリアージュ体験を提供する
ティーラウンジでは夕食後等、自分の好きなお茶と和菓子でくつろげる
レストランではお茶をペアリングしたコース料理を提供する

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