大東建託グループの(株)ガスパルは17日、循環型農業「アクアポニックス」事業への参入決定を発表した。
「アクアポニックス」とは、水産養殖と水耕栽培を組み合わせた農法のこと。魚の排泄物を微生物が分解し、植物が栄養として吸収することで効率的に成長。浄化された水は再び魚の水槽に戻り、化学農薬や化学肥料を一切使用しない持続可能な生産システムとなっている。
同社は、ガス小売事業者として大東建託グループが管理する賃貸住宅にLPガス・都市ガスの供給を行なっているが、事業多角化に当たり、市街化調整区域や農業振興地域などの遊休地活用としてアクアポニックスに着目。本格参入に当たり、24年から1年3ヵ月にわたり、リーフレタスなど葉物野菜を中心に20種類の野菜栽培とチョウザメを育成する実証実験を実施した。
25年11月には、都市部近郊の遊休地活用のモデルケースとして、敷地面積4,600平方メートルの自社農場(さいたま市西区)の開発に着工。自社農場では、水耕栽培エリアで葉物野菜・食用花・ハーブなどを栽培し、養殖エリアでチョウザメ・ホンモロコ・ティラピアなどの養殖を行なう計画。26年4月からは、農場で取れた葉物野菜を「福菜商店」ブランドとして販売する予定。
今後は、遊休地保有者と農業参入希望者とのマッチングや行政手続き支援、スキル習得支援などを含む農業コンサルティング事業の立ち上げも視野に入れ、事業運営に必要なノウハウを構築していく。養殖魚が本格的に販売可能となる32年度には、年間売上5,000万円を目指す。
