不動産ニュース / リフォーム

2025/12/25

「モノの再定義」で仕立てたリノベマンション

リノベーションで30畳弱に広がったリビング。洋室の間仕切りがガラス引き戸になり、前洋室の出窓も含め3方向から陽光が入るように
出窓の下はデッドストックのタイルを使った窓台とした
キッチンは曲線を描いた大型のカウンタ―とし、床を上げることで調理中の人と視線が合うように

 (株)コスモスイニシアはこのほど、(株)スマイルズのリサイクルブランド「PASS THE BATON」と共同プロデュースした既存マンション「コスモ世田谷」(東京都世田谷区、総戸数24戸)のリノベーション住戸の販売を開始した。

 スマイルズの「PASS THE BATON」は、従来の用途とは異なる視点でモノを見立てる「モノの再定義」で企業の商品開発などでコラボレーションしている。コスモスイニシアはこの考え方がリノベーションと相性が良いと判断し、協業が実現した。「PASS THE BATON」が住まいについて取り組むのは初めて。今回、リノベーションプランに加え、完成した住戸のステージングも手掛けた。

 「コスモ世田谷」は、東急世田谷線「世田谷」駅徒歩3分に立地する、鉄筋コンクリート造地上5階建てのマンション。2000年築。同社の創業25周年記念物件で、小規模物件ながら内廊下方式とし、その腰壁をタイル張りとするなどしている。

 従前の3LDK・約76平方メートルを、DINKSやプレファミリーをターゲットとした2LDKへリノベーション。工芸やアート、本などモノの収集が趣味のユーザーを想定し、それらのモノで空間を埋め尽くす家をコンセプトとした。企画から竣工まで1年を費やしている。

 LDKは隣り合う洋室を取り込み、約30畳に拡大。元洋室の窓を生かしながら壁一面の飾り棚を造作。ヨーロッパのアンティーク什器を設置した(購入者にそのまま譲渡)。リビングの出窓と、元洋室の腰窓の下には、多治見のデッドストックタイルを使った窓台を造作。ベンチや読書やアート、グリーンを育てるスペースとしても利用できるようにした。その上部には、洋服や植物を吊るすハンガーも設置している。

 キッチンは柔らかな曲線を描く大型のカウンターと一体化。カウンター部分はリビングよりも床を上げることで、料理をする人とテーブルに座る人の視線が自然と交わるよう配慮した。カウンター下部は、外構に用いるコンクリートブロックの表面を整えて使用。パイプスペースはアルミ製の管で囲んでいる。リビング床は、無垢フローリングをパーケット張り。直天井はダウンライトを設置するため二重天井へ変更。天井高は2,450mm。キッチン・洗面所の面材はフローリングや飾り棚と色調を合わせた木調デザインとした。

 玄関に面した洋室には、棚板の高さや枚数を自在に変更できるシステムラックを2面、天井一杯まで造作。一部はデスクとした。2つの洋室の間仕切りはガラス引き戸としており、空間に広がりを持たせ、光が抜けるようにしている。

 リノベーションは、11月12日に竣工済み。販売価格は9,980万円。

改修前の間取り
改修後の間取り

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