住友林業(株)は29日、移設・再利用を重視して開発した木造ユニット建築「(仮称)KIBLO(キブロ)」を公表した。
ユニットを工場生産して建設現場で搬入・設置・接合することで、工期短縮や品質の安定化を図る。使用後は解体して移設・再利用できるようにすることで、建物の木造・木質化や長寿命化、資源の再利用による環境負荷の低減などを目的として開発した。
木造軸組工法のユニットで、サイズは高さ2,850mm×幅1,820mm×奥行5,460mm。2階建て連結や長辺短辺両方向での連結が可能なため、敷地に対してフレキシブルに対応できる。幅600mmで壁倍率7倍相当の耐力を確保できる幅狭耐力壁を開発したほか、分解・再接合を容易にする金物を開発している。
また、基礎工事を並行して工場でユニットを生産できるため、工期を大幅に短縮することが可能。同社の試算では、約80平方メートルの平屋建築で一般的な工法では約14週間かかるところ、KIBLOを活用することで約7週間に短縮することができた。
同社中大規模木造推進部部長の細野通洋氏は、「連結金物や耐力壁などコア技術は当社が独自開発したものだが、一般流通材の使用など安定的な調達を可能にする製品だ。将来的には他社に向けて広く外販していくことも視野に入れている」などという。
想定用途は店舗や事務所、診療施設など「300平方メートル未満の事業用建築」。「この分野で人材不足の影響が大きくなっている。建築を効率化することでその対策にできると考えている」(細野氏)。また、戸建て住宅への対応については現時点では考えていないという。
なお、この日マスコミ向けに公開した2027国際園芸博覧会の同社パビリオンのバックオフィス棟としてKIBLOを採用。商品化に向けた検証を行なっている。バックオフィス棟は2階建て、9ユニットを上下連結した計18ユニットで構成。工事期間中は現場事務所として、会期中には運営事務所・来客対応スペースとして活用。会期後には建物を解体して移設・再利用を計画している。
