住友林業(株)は12日、2016年3月期決算を発表した。
当期(15年4月1日~16年3月31日)は、連結売上高1兆405億2,400万円(前期比4.3%増)、営業利益300億9,300万円(同11.5%減)、経常利益305億700万円(同16.2%減)、当期純利益97億2,700万円(同47.6%減)。売上高は初の1兆円超えとなったが、退職給付会計に係る数理計算上の差異を人件費として一括処理したことで減益となった。
木材建材事業は、木材・建材取扱高ナンバーワンの地位を維持・向上に注力。バイオマス発電向け木質燃料の取り扱い拡充、アジア市場への国産材の輸出拡大にも取り組んだ。国内の建材製造事業では、高付加価値商品の販売に努め、売上高は4,269億6,500万円(同0.9%増)、経常利益は33億5,200万円(同17.0%増)となった。
住宅事業は、戸建注文住宅事業において、商品の高付加価値とシェア拡大を展開。賃貸住宅事業では、戸建注文住宅事業の全拠点で賃貸住宅の販売体制を整えたほか、都市圏の防耐火基準に適合する賃貸住宅・賃貸併用住宅「ForestMaison(フォレストメゾン)BF-耐火」を発売した。リフォーム事業は、営業人員の補強を行ない、伝統構法で建築された木造住宅を再生するリフォーム等にも積極的に取り組んだ。同セグメントの売上高は4,546億400万円(同0.1%増)、経常利益は315億1,200万円(同11.3%増)。
海外事業は、主力の日本向けMDF(中密度繊維板)販売により収益性が改善。利益は前年を大幅に上回った。住宅・不動産事業では、米国および豪州において販売棟数が増加し、業績が伸長。1月に米国東部で事業を展開する住宅会社の持分を新たに取得、連結子会社化したほか、アジア地域における新規の住宅・不動産事業を推進。売上高は1,879億2,600万円(同27.8%増)、経常利益は130億9,100万円(同113.7%増)となった。
なお次期については、連結売上高1兆1,500億円、営業利益460億円、経常利益480億円、当期純利益270億円を見込む。