三鬼商事(株)は、9月末時点の東京のオフィスビル最新状況レポートを発表した。
東京ビジネス地区(千代田・中央・港・新宿・渋谷の5区)の9月末時点の平均空室率は3.24%で、対前月比▲0.05ポイントと2ヵ月連続での小幅な低下となった。また、空室率は3%台前半の低水準を維持しており、依然として品薄感が高まる中、竣工1年未満の大型新築ビルはおおむね高稼動、既存大型ビルについても賃料相場の改善がみられた。
空室面積は188,186坪で、前月に比べ3,394坪の減少となったものの、9月の空室在庫は小幅な減少にとどまった。なお、秋のオフィス需要期に入ったものの空室在庫が残り少ないことと、大手企業の統合・集約による移転計画が目立つとともにIT企業・外資系企業等の需要減少や景気後退の影響により、今後のテナント動向が懸念される。
9月末時点での平均賃料は、1坪当たり20,037円で対前年同月比2.38%増、対前月比0.81%増となり、2万円台に回復した。大型ビルは新築・既存ともに前年同月比を上回り、賃料相場改善が鮮明になってきたが、中型・小型ビルについてはほぼ横ばい傾向にあり、賃料相場の改善は見られなかった。