東京都と東日本旅客鉄道(株)(JR東日本)は15日、東京駅周辺の開発・整備について、今後も事業協力を推進する点と、都の必要な都市計画手続きを進める点について合意したと発表。
同事業計画は、1999年9月に「東京駅の赤レンガ駅舎復元および周辺広場の整備」の協力体制構築について両者が会談、以後、(財)日本都市計画学会の「東京駅周辺の再整備に関する研究委員会」(座長:早稲田大学教授・伊藤滋氏)により具体的計画内容や必要性等についての報告書がまとめられ、今回の石原東京都知事とJR東日本大塚社長との会談により、合意に達したもの。
主な事業内容は、「丸の内駅舎の保存・復元」「丸の内駅前広場の整備」「行幸通りの整備」「八重洲駅前広場の整備」「東西自由通路(南部)の整備」「特例容積率適用区域制度(※)の利用」などが予定されており、具体的な都市計画案については各関係者間で調整の上、5月開催予定の都市計画審議会にて発表する見込み。
なお、東京都では都市開発諸制度の運用の基本方針の改正を同日行ない、大手町・丸の内・有楽町地区等で「育成用途」の集約化を可能とする特例を追加した。同基本方針は、従来では都心・副都心における業務商業重点地区にふさわしい機能(例:交流施設、文化施設、活性化施設など)の誘導を開発個別毎に行なっていたが、今回改正により、ホテルなどまとまった床面積を必要とする交流施設を積極的に誘致して多機能が集積する市街地を形成するため、一定区域内における複数開発を合わせ、誘致や1ヵ所での「育成用途」の集約が可能となった。
※商業地域内で、適正な配置・規模の公共施設を備え、高度利用を図るべきと認められる区域を都市計画で定め、当該区域全体として未利用容積の有効活用をはかることを目的としたもの。特定行政庁が2以上の特例敷地に適切な容積率を指定することで、未利用容積率の有効活用を図る。