積水化学工業(株)住宅カンパニーは、30日の「建設リサイクル法」全面施行に伴い、28日より資源循環型住宅システム「再築システムの家」を本格展開すると発表した。
省エネ化や環境対策を推進してきた同社では、あわせて入居者サービスのさらなる向上をめざし、ストック事業の強化を課題としてきた。そこで開発した同システムは、既築のセキスイハイムから再び同社で新築に建て替え予定の顧客に対し、既築の住宅を下取りし、解体せずにユニット単位で工場に搬入、点検・補修を行なって再び販売するというもの。環境ニーズの高まりやストック重視の住宅市場への対応はもちろんのこと、セキスイハイム事業開始より30年が経過し、建て替え希望者が増加した点や、2001年に行なった試作住宅でのモニター評価で4割以上の消費者がリユースを許容しているうえ、「再築システムの家」をすでに利用している2邸の居住者にも好評である点などを鑑み、同システムを開発・本格展開することとなった。
同システムを利用する場合には、解体費として通常と同様程度の約150万円が必要となるが、同社が約200万円(査定によって異なる)で下取りすることにより、顧客の建て替え時の負担を軽減する。また下取り後は、基礎を除き現場で解体せずに、ユニット単位で工場に搬送することで、解体時間が短縮できるほか、近隣への迷惑軽減につながるなどのメリットもある。
搬送されたユニットは、リユース(再利用)するものとリサイクル(再資源化)するものに分別され、品質検査を通過したユニット本体は、水回りや内装仕上げ材・玄関ドアなどを取り付け、新築同様に生まれ変わった状態で、「再築システムの家」購入者の建設現場へ出荷、移築される。これにより、従来なら解体すると1棟あたり約40トン出ていた廃棄物の70%以上が再利用されることになる。
なお購入希望者は、積水ファミエス各社や、インターネットのウェブサイト上などで情報を登録し、希望に近い物件を選択する。価格は1坪30万円前半と、同社の新築物件の6割から7割の費用で購入できるうえ、定期診断の20年長期保証システムなど新築同様のサービスを受けることも可能。
販売エリアは、沖縄および島嶼部を除く全国で、今年度100棟、2005年度には500棟の販売をめざす。