国土交通省は3日、不動産鑑定評価基準等の改正について国土交通事務次官通知を発出した。
不動産鑑定評価基準は、不動産鑑定評価のより所となる統一基準であり、不当鑑定の判断根拠として1964年に制定されたもので、最近では1990年に改正されている。今回は、不動産の証券化等土地・建物一体の複合不動産の収益性を重視する取引が増大する中で、これに的確に対応する鑑定評価手法を確立する必要があるとして、改正に至った。
今回改正となった主な点としては、収益制を重視した鑑定評価の充実を図るべく、これまで直接還元法のみであった収益還元法の手法が、証券化のための評価は原則としてDCF法を適用するため2本立てとなる。また、収益力をより詳細に把握するための物件調査や市場分析の拡充、改善などが盛り込まれた。鑑定評価報告書への記載については、鑑定評価結果の説明責任を強化する観点から、決定した評価額の算定課程に加え、判断の理由、分析内容、前提条件等について具体的に記載することが明記された。
なお、改正後の不動産鑑定評価基準等は2003年1月1日より施行される(2002年内は周知期間)。全文は国土交通省ホームページで閲覧可能。