不動産ニュース / 開発・分譲

2002/7/31

「同潤会江戸川アパート」建て替え計画概要を発表

 同潤会江戸川アパート建て替え合同組合と、同プロジェクト事業協力者である旭化成(株)は30日、来春着工、2005年春竣工予定の同潤会江戸川アパートの建て替え計画概要を発表した。

 2棟からなる同潤会江戸川アパート(総戸数258戸)は、同潤会アパート全16団地の中で最後に建築された集合住宅で、1934年(昭和9年)に完成。「同潤会アパートの集大成」とも言うべき建物で、戦前の建物ながらエレベーターや集中暖房を備え、当時、最先端の集合住宅と話題を集めた。また、同住宅には、作家や政治家、映画監督等、多くの著名人達が暮らしたことも有名で、建物内の社交室ではダンスやバレーの講習、居住者による談話会等が積極的に開催され、活発なコミュニティを形成してきた。
 しかし、現在では築後68年が経過し、地下鉄工事に伴う建物の傾斜や、老朽化によるライフラインの機能不全、外壁の一部崩落など、危機管理の面からも居住するには困難と建て替え案が浮上。過去約30年間にわたり進めてきた建て替え決議が、今年3月23日に各棟ともに4/5以上の賛成を得てようやく成立した。なお、総区分所有者数223名中、192名が賛成、31名が反対をしたが、その後の話し合いの中で反対者のうち22名は、すでに建て替えに同意している。
 反対の理由として多く挙がったのが、等価交換で取得できる専有床面積が、既存住戸登記面積の平均約53%という還元率の低さ。現在の居住者が、建て替え後にも部屋を確保するためには追加負担金が必要になる。この還元率の低さは、日影規制等の諸制限により容積率300%をすべて利用することができないことが大きな要因で、建て替え合同組合では、高齢の居住者の問題も含め、決議後もこの点を問題視している。なお、事業協力者に旭化成を選んだ理由としては、これまで居住者と個別に面談を行なうなど、きめ細やかな対応とそこから得られた信用、そして資金力を挙げている。

 建て替え後は、総戸数は約220戸、3棟の雁行構成を基本とした地下1階地上11階の建物となる。外観は、高層建物が林立する周辺に対し、囲み形式のどっしりとした重厚感を出しながらも、開放感を感じさせるようなデザインとなる。また、住棟間には通り抜けや路地空間のしつらえをするとともに、7階部分には屋上庭園も設置し、景観性を踏まえた屋上緑化を行なう。

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