三井不動産(株)8日、「2003年3月期中間決算短信(単体・連結)」を発表した。
当期単体業績の売上高は2,671億8,000万円(前年同期比▲11.4%)、営業利益は269億7,500万円(同▲20.6%)、経常利益は173億700万円(同▲31.2%)、当期純利益は42億4,600万円(同▲66.8%)となった。
当期連結業績(対象139社)の売上高は4,911億1,300万円(同▲11.4%)、営業利益は379億8,400万円(同▲19.4%)、経常利益は235億4,300万円(同▲19.3%)、当期純利益は61億8,900万円(同▲72.0%)となった。
前期を大幅に下回る業績について、三井東3号館および銀座三井ビルの解体除却、大規模マンションの竣工計上が上期に集中した前期に対して今期は下期に集中したこと、100%子会社であった三井不動産建設のみらい建設グループへの譲渡の3つを大きな要因と挙げており、三井不動産単体の業績が連結業績に響いたものとしている。しかし、売上高、営業利益、経常利益ともに、これらの要素を織り込んだ期初予想を上回る業績を計上。唯一期初予想を下回った当期純利益については、株式市場低迷による保有株式の評価損等を計上したためとしている。
また、空室率は全体で前期を1.1ポイント上回る5.4%。施設別にみるとオフィスビルが5.0%、商業施設は6.6%となった。しかし同社は、「オフィスビルについては、室町新館計画に伴う建替え空室を除けば、物件の9割を占める首都圏の実質空室率は3.4%。商業施設についても、四日市の大型ショッピングセンターの休館が大きく響いており、これを除けば地方0.4%、全体でも0.9%で、さほどの悪化はみられない」とコメント。しかしながら今後については、「2003年3月期には4%台は確実だろう」と市況の悪化に伴う空室増加は否めないものとみている。
その他については、完成工事部門では三井ホームの改善により増益。三井ホームに関しては、通期で黒字転換できる見通しを立てているという。また、仲介・コンサル事業は、三井不動産販売のセグメントの見直しを行なったことも影響し、全体で41億円の減益を計上している。
なお、中間期の業績を織り込み、通期の見通しを、売上高を1兆1,000億円(前回予想1兆1,100億円、差異▲100億円)、経常収益を755億円(同740億円、同15億円増)、当期純利益を330億円(同380億円、同▲50億円)に修正した。今後の方針として同社では、「資産を増やさずに収益を伸ばしていきたい」とノンアセットビジネスへの期待を示した。
また同日、ノンアセットビジネスに関し、三井不販の「リースマンション事業」を、100%子会社の三井不動産リース(株)と統合することを発表。2003年4月1日を目途にグループ内の賃貸住宅運営管理専業会社として1本化することを明かにした。