不動産ニュース / 調査・統計データ

2003/4/11

森ビル、「東京23区大規模オフィスビル市場動向調査」結果発表

 森ビル(株)は10日、東京23区内で1986年以降に竣工した大規模オフィスビル(延床面積10,000平方メートル以上)を対象に毎年実施している「東京23区大規模オフィスビル市場動向調査」(2002年12月末時点)結果を発表した。

 同調査結果によると、23区内における2003年の大規模オフィスビルの供給量は調査開始以来最大の217万平方メートルとなったが、2004年以降は、年平均80万平方メートル程度の低水準に落ち着く見込み。このため、時代区分(※1)で比較すると、2003年が含まれる「都市再生時代」の年平均供給量は、「バブル崩壊後」の125万平方メートルよりも少ない110万平方メートルとなる見込みとなっている。
 エリア別の供給傾向では、都心3区(千代田区・中央区・港区)については、「バブル崩壊前」から「バブル崩壊後」にかけて減少しているものの、その後増加に転じ、「都市再生時代」には全体の約75%を占めており、より一層の供給集中傾向がうかがえる。
 ビル別規模で見てみると、「バブル崩壊前」には「大規模オフィスビル」(※2)と「超大規模オフィスビル」(※3)の割合がほぼ同等であったが、その後徐々に「超大規模オフィスビル」の占める割合が増加。「都市再生時代」に入ると、「超大規模オフィスビル」が全体の約84%を占める見通しとなっている。なお、調査対象外である「小規模オフィスビル」を含めたオフィスビル全体においても、前回大量着工が生じた1990年前後には「小規模オフィスビル」が圧倒的多数を占めていたのに対し、近年では大規模オフィスビルの着工が逆転しており、「ビルの大型化」傾向が顕著に表れている。
 今後の需要動向としては、2002年の吸収量は48万平方メートルとなり、2001年に引き続き低水準で推移。これは、都心3区での潜在需要が引き続き高水準にあるものの、近年の景気低迷や需要の質の変化により、借り控えが長期化していることによるもので、この潜在需要は、2003年上半期における新規大規模オフィスビルの大量供給を契機に、順次健在化していくものと思われる。
 なお、時代区分で見たオフィスマーケットの今後の展望として、「都市再生時代」においては、港区と千代田区に供給が集中する反面、中央区、新宿区、渋谷区では低水準での推移が見込まれている。また、「純需要」についても、港区、千代田区の需要については年々増加しているものの、中央区の需要は激減。今後は、都心としての立地優位性をもつ港区、千代田区での集積が進む中で、エリア間競争のより一層の激化が予想される。このため同社では、「プラスα」の魅力を付加し競争力を高めるために、従来のビルマネジメントに代わり、エリア全体のハード面での魅力向上をもたらす「エリアディベロップメント」、およびエリア情報サービス等のソフト面での魅力向上をもたらす広域的な「タウンマネジメント」とによる、『エリアマネジメント』への取り組みが求められてくると分析している。

※1 … 時代区分:「バブル崩壊前」(1986年~1991年)、「バブル崩壊後」(1992年~1996年)、「金融破綻不況~ITバブル崩壊」(1997年~2001年)、「都市再生時代」(2002年~2007年)
※2 … 事務所部分の延床面積が1万平方メートル以上3万平方メートル未満
※3 … 事務所部分の延床面積が3万平方メートル以上

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