首都圏定期借地借家推進機構は25日、発足1周年を記念して、設立記念講演会を開催した。
前半では、東京大学都市工学教授・大西隆氏が「明日の都市を考える」と題し講演。ハワードの田園都市からアイディアを得てつくられたにもかかわらず、当時に比べて細分化が進み、ゆとりのない住宅地と化してしまった東京都国立市の住宅地を題材にあげ、人口減少社会を迎える都市の今後のあり方を提言した。
一方後半では、現代計画研究所代表の藤本昌也氏が「地方中心市街地の再生」と題し、実際に同氏が携わった市街地再生プロジェクトの成功事例を紹介しながら、住まい・街づくりに専門家たちがどうかかわっていくのか、また再生成功への筋道や総合戦略に必要な項目を細部にわたり紹介した。
会場には、会員をはじめ、ハウスメーカー、ディベロッパー、建設・不動産業界の関係者ら約100名が集い、両氏の話に熱心に耳を傾けていた。
首都圏定借機構は、昨年の4月5日に設立。現在150名の会員と多数の関係者と共に、ワークショップ、研究会、情報交流会、グループ研究など幅広く活動しており、今後も人々の関心の高い首都圏の土地問題「コンバージョン」「リバースモーゲージ」「グループホーム」などをテーマにした研究会やワークショップを開催していく予定。このほか共同プロジェクトの実施、集団的行政への計画提案、事業情報の共有化による実現化についても計画している。