三井不動産(株)は、2000~2002年の「グループ中期経営計画」の成果を踏まえ、2008年度を最終年度とする長期経営計画「チャレンジ・プラン2008」を策定、明らかにした。
「今まではインベスターでありディベロッパーであった不動産業」(三井不動産代表取締役社長:岩沙弘道氏)から大きく方向を転換、不動産に関するソリューションとサービスを提供する「不動産ソリューション&サービス・プロバイダー」へ進化させることで、成長性と収益性に富んだ同グループの実現を図る、とするもの。具体的には、顧客志向に徹したマーケティング力・ネットワーク形成力を基盤に、不動産の価値を創造するディベロップ力、不動産の価値を維持・向上するマネジメント力、不動産市場を把握するトレーディング力を、オリジネーター、インベスター、そしてエンドを含めたユーザーに提供。同グループが誇る4,000万人を超える顧客ストックに着目し、ITを活用した顧客プラットホームを構築し、文化・教育・健康・医療等のコンテンツとも融合させニーズに応えていくという。
また自己資本を投じ質的向上を図る「保有事業」の他、投資家向け分譲を拡大させた「開発事業」、08年度には預かり資産3兆円に増大(対前年度比150%増)予定の「マネジメント事業」にウエートをおき、資本100%自社保有にこだわらない事業手法を展開。さらに社内業務再編にて各社のセッションを明確化し「資産保有と運営の分離を実現させる」(岩沙氏)と効率経営化を掲げた。その際にはさまざまな雇用形態の人材を活用、育成に注力すると共に利益率の向上を図るという。
2008年度に向け目標とする経営指標(連結)については、売上高1兆3,000億円(前年実績1兆824億円)、営業利益1,600億円(同1,033億円)、有利子負債残高9,900億円(同1兆3,972億円)とし、各事業の売上の構成は「保有事業」3,100億円(同2,900億円)、「開発事業」3,860億円(同3,350億円)、「マネジメント事業」3,200億円(同1,750億円)としている。