藤和不動産(株)は15日「2003年3月期決算短信(単体・連結)」を発表した。
当期単体業績の売上高は1,474億3,100万円(前期比▲3.2%)、営業利益は148億5,900万円(同▲5.1%)、経常利益は108億7,100万円(同▲5.0%)、当期純利益は▲424億3,100万円となった。
また、当期連結業績(対象9社)の売上高は1,851億5,900万円(前期比0.4%増)、営業利益は181億2,000万円(同▲0.0%)、経常利益は120億8,400万円(同▲7.5%)、当期純利益は▲355億7,200万円であった。
当期は、不動産販売事業において、製販一体ならではの顧客ニーズを反映した「地域No.1」のマンションづくりに注力するとともに、顧客ニーズに合った生活スタイルを提案するコンサルタント営業を推進した結果、前期比3.7%増の1,454億6,100万円の売上を計上。不動産管理業においては、同社分譲物件を中心に管理受託を伸ばし、かつ緊急対応業務でのISO取得によりサービス向上を図ったことにより、順調な推移をみせた。また不動産賃貸事業において、テナント入居率改善や、サブリース事業の収支改善を図った結果、不動産賃貸・管理事業での売上高228億4,600万円(前期比▲3.6%)を計上した。
なお、当期においては、2003年4月からの「新経営計画」スタートにあたり、同社および関係会社の財務内容の健全化を図るための抜本的改善策として、固定資産等の評価損・処分損・関係会社向け損失処理等約2,660億円の特別損失を一括計上。同時にUFJ銀行をはじめとする主要取引銀行からの支援による総額約2,000億円を特別利益に計上し、全体で当期355億7,200万円の純損失となった。
次期の見通しについては、マンション管理・ビル管理、不動産仲介、賃貸管理事業を中心とした既存ビジネスに経営資源を集中、プロパティマネジメントや不動産コンサルティング事業等の新規ビジネスにも積極的に取り組むとしており、連結で売上高1,960億円、経常利益130億円、当期純利益55億円を見込む。
また同日、代表者の異動についても併せて発表。
現・同社専務取締役の杉浦重厚(しげあつ)氏が、6月27日付けで新たに代表取締役社長に就任する。杉浦氏は、京都府出身、58歳。1968年に同社に入社、広報室長、取締役等を経て、2002年6月より現職。
なお、現・代表取締役社長の相良右章氏は、6月27日付の同社定時株主総会で取締役を退任し、同社特別顧問に就任する予定。