(社)全国宅地建物取引業協会連合会(略称:全宅連)・総合教育研修センターは、4半期ごとに行なわれている「中小不動産業経営動向調査」の2003年9月1日時点における結果を発表した。不動産業者の経営動向を探るとともに景況感を把握することを目的としたもので、調査対象は会員業者約11万4,000社から無作為に選択した1,069社、回収数は511社(47.9%)。
これによると、9月1日時点の経営動向指数は▲18.5で、6月1日時点の前回調査時(▲25.4)と比較すると6.9ポイント改善している。また、今後の見通し指数は▲14.4となっており、こちらも前回(▲27.9)より13.5ポイントの上昇となった。
地域別経営動向指数は、北海道・東北・甲信越・九州以外で上昇傾向、今後の見通しについても北海道・東北・甲信越以外で上昇傾向を予測する指数となっている。
主たる業務別経営動向指数は、開発売買が▲17.5(前回調査時▲21.4)、仲介管理が▲18.9(同▲26.4)といずれも若干の改善を示しており、今後の見通しも開発売買▲11.4、仲介管理▲15.4となった。
業務別売上比率は、売買仲介(33.0%)、賃貸仲介(21.6%)、売買(15.5%)、管理(15.0%)、賃貸(8.6%)、開発(6.3%)の順。
また経営上の問題点としては、引き続き「地価下落」という回答が最も多く、その他「貸し渋り」「不安」(金融・経済・社会)、「賃貸」(家賃滞納・空室増加)、「規制」(都市計画法、農地法、開発指導要綱等)などとなった。
なお、これらの結果を受けて全宅連では、低価格帯の物件に動きが出てきたことなどから、「現況」・「将来の見通し」ともに大幅な改善がみられたとし、地域密着型営業への回帰や、顧客の求める低価格帯物件の仕入れを工夫している会員が「現況」・「将来の見通し」で良い傾向にあると分析している。