屋上緑化を核に、屋上利用の調査・研究、普及啓蒙活動に取り組んでいるNPO屋上開発研究会(東京都新宿区、理事長:梅澤忠雄氏)は2日、都市再生、都市環境、都市景観などの社会的な要請の高まりをうけて組織を拡大するとともに、屋上緑化に関する資格制度「スカイフロントコーディネーター・屋上緑化(初級)」をスタートすると発表した。
環境や都市景観の問題を含めた「屋上」の利用価値については、従来より検討されているが、ここにきて、政府、行政ベースによる動きが活発化している。東京都に始まった屋上緑化の義務付けは兵庫県、大阪市など地方自治体に広がり、義務化を含めた独自の屋上緑化施策を展開し始めている。また、国土交通省が策定した「美しい国づくり政策大綱」に基づいて2004年通常国会に提出される「景観緑3法」では、1,000平方メートル以上の敷地をもつ建築物においてはその20%に加え、屋上の緑化可能部分の10%前後の緑化を義務づけるとの内容がもりこまれる予定となっている。
同研究会では、こうした動きをうけて、屋上緑化技術開発、屋上価値開発を柱とした事業活動を展開していく。梅澤理事長によれば、これに伴う会員を募集した結果、大手不動産デベロッパー、ハウスメーカーをはじめ、設計、造園、エネルギー、環境機器など約100社(団体)の参加が決定。今後は、総合的な知識や技術が必要となるとともに、異業種企業・団体の集合体となるため、抜本的な組織改革が必要であるとし、2004年6月中旬には新組織をスタートさせる予定となっている。
また、人材育成としての資格制度「スカイフロントコーディネーター・屋上緑化(初級)」の認定・登録制度をスタートする。試験は2004年6月に実施予定。屋上緑化、利用価値の向上のために必要な建築、植栽、緑化技術や維持管理に関する総合的な知識をもつコーディネーターの育成が目的。試験の概要については、同研究会ホームページ(http://www.sky-front.gr.jp/)を参照のこと。