


建築ストック対策に係わる情報発信を行なう「建築ストック対策ネットワーク(略称:ストックネット)」は13日、年に1回行なっている建築ストックについての講演会を開催した。今回のテーマは「良好なマンションストックの形成に向けて」。
基調講演は、ストックネット議長の松本光平氏(明海大学不動産学部教授)による「良好なマンションストックの形成」。今後めざすべきは実質的に豊かな生活空間であり、物的空間を構成する住宅・建築などの質の向上である。また、高齢社会となった今、望ましい未来社会像は「美しく老いることのできる社会」であり、建築分野では、安全で豊かな美しい生活空間の実現が課題であると語った。
講演の前半は「良好なマンションストックの形成を阻む要因とその対策」。管理組合、管理・改修業者、コンサルタントの3者の立場からマンション管理に携わってきた、マンション管理士の三井一柾氏((有)三井一柾事務所・取締役社長)が、現実に管理組合が抱えている問題や今後必要な政策などについて講演した。
後半は「超高層マンションの維持保全・リニューアル」と題し、池田雅信氏(池田雅信建築デザイン事務所・一級建築士)が、自ら手がけた「スカイハイツトーカイ」(横浜市神奈川区、25階建、230戸)の改修を実例として紹介。1979年に竣工した同物件の改修にいたる背景や経緯、実際に起きた問題点などを、スライドを交えて詳しく解説した。
ストックネットでは、今後も建築、設備などについてのセミナーを予定している。