(社)不動産流通経営協会(FRK)は13日、2005年4月1日からの個人情報保護法全面施行に向けて策定した「不動産流通業に関するガイドライン」の説明会を開催した。
第1部は、同協会の個人情報保護検討委員会で顧問を務めた弁護士の松田弘氏による解説が行なわれた。テーマは、同法の概要およびガイドラインのうち各条文の解説と参考Q&Aのポイント解説。
同氏によれば、不動産業に携わる者は、取引の中で段階的に顧客の個人情報を取得していくため、特に注意を払う必要がある。また、必要なのは逐条理解ではなく、その背景や基本的な考え方を正しく理解することであり、各社においては体制づくりと、各々の企業努力、特に従業員の教育・監督が大きなポイントとなるとのことであった。
第2部では、同委員会で事務局を務めた同協会の東登氏が、不動産流通業務の現場から見たポイントの解説を行なった。今回のガイドラインにも、『業務委託における個人情報保護に関する契約書(案)』が付されているが、年末以降に予定されている国土交通省での研究会の検討結果およびガイドラインで詳細が明らかとなる部分もあるため、まだ実用にはいたらない。しかし、新規データの適正な取得方法や、既存データの取り扱いなどについては、企業としての姿勢を明確にすべく、各社単位での検討が必要であるとしている。
また、説明会に先立って挨拶をした専務理事・内藤勇氏は「不動産流通業界はまさに個人情報を預る立場にある。実際に施行され、実例を重ねていかなければ分からない事もあるが、その前に各社で十分検討し、万端の準備をする必要がある。各社の基本方針の作成などに、このガイドラインを役立ててほしい」と語った。
なお、同協会では、今回の11月版ガイドラインに改訂を加え、会員より要望のあったいくつかの書式のひな型をプラスした追加版を2005年1月中に策定する予定。