清水建設(株)は20日、免震効果が高く、敷地の有効利用が可能な多層階免震構造「シミズ デュアルレイヤーコア免震システム」を開発・実用化したと発表した。
同システムは、超高層RC造建築物の1~2階間と地下2階下部までを、連続した凹型の免震ピット空間として設置。その空間を利用しながら、複数の免震積層ゴムが、コアウォールおよび張り出したメガビームを介して、上層構造を支えるというもの。コアウォールが上層構造の剛性を高めながら建物の心棒のように動くため、通常の免震構造よりも25%性能が向上する。
また、同システムでは、地下部分を有する建物を建設する際、建物外周部に大きな擁壁などが不要なため通常の基礎免震構造では困難な敷地の有効利用ができたり、エレベーターシャフト周りにクリアランスが必要ないため、共用部にデッドスペースを生まないので専有部の有効率を高めることができるという。
なお、同システムは、大崎駅東口第3地区市街地再開発組合が発注し、(株)NIPPOコーポレーション・住友不動産(株)が分譲する、塔屋1階地下2階地上27階建て、延床面積約3万3,103.34平方メートルの「ル・サンク大崎シティタワー」(東京都品川区大崎、販売総戸数225戸)で初適用される。なお販売開始は2月より、完成予定は2007年3月末の予定。