国土交通省社会資本整備審議会住宅宅地分科会基本制度部会(部会長:八田達夫国際基督教大学教授)は12日、「新たな住宅政策に対応した制度的枠組みはいかにあるべきか」の報告案に関するパブリックコメントを発表。併せて、それに対する同部会の考え方を公表した。
同パブリックコメントは2005年7月7日から8月12日まで募集され、応募されたもの。
これによると、住宅政策の基本理念に関し、「居住の権利の保障などを定める住居法を制定すべき」という意見に対し、同部会では「居住に関する権利は、私法上の権利も含め、その内容も多岐にわたるものであり、包括的な権利として基本法制に定めることについての国民的コンセンサスが得られているとはいえない」としながらも、「今後とも、『住宅困窮者の安定した居住の確保』を住宅政策の基本理念の一つとして位置づけ、個別付帯の施策を講ずる」考えを発表した。
その他、「学校教育など、住まいや不動産に関する教育カリキュラムを充実すべき」「呼称として、中古住宅ではなく『既存住宅』という呼称を定着、普及を図るべき」「小子高齢化が進む中、公営住宅では単身用住宅を増やすべき」「収入のある確かな保証人がいない借主は賃貸住宅に入居することが困難になっており、公的な保証人制度を創設すべき」など、寄せられた約80件の意見に対し、それぞれ同部会の考え方が公表された。