不動産ニュース / その他

2006/2/22

建築と不動産流通を融合、耐震偽装物件にもアプローチ/MTC、大都市圏への普及加速

「地元の業者と組んで、地元を活性化させて、はじめてミラクルリモデリングショップの意味がある」と語る、粉川会長
「地元の業者と組んで、地元を活性化させて、はじめてミラクルリモデリングショップの意味がある」と語る、粉川会長

 住みながら増改築できるミラクル構法を全国展開している(株)ミラクルスリーコーポレーション(MTC、本社・大阪府吹田市)の粉川憲史代表取締役会長が20日専門紙記者と会見。不動産人材養成事業を展開するワンズ(株)との業務提携によるブランドショップ「ミラクルリモデリングショップ」による地域戦略など、ミラクル構法の全国普及に関する戦略について語った。
 「リモデリングショップ」戦略について粉川会長は、「これまで、地場の建築業者は、地域ユーザーの建築やリフォームに対するニーズをきちっと聞き取る能力がなく、信頼できる店作りができていなかった。また、建築業は請負であり、受け身の営業だった。ミラクルを核にした建築業と、自らニーズを探しに行くという流通業とを融合させ、地域で信頼される店作りをしようというのが狙い」とし「ミラクルは切り口の1つ。そこからリフォームや新築ニーズも生み出せる。大事なのは、地元の建築業者を元気にすること。業者が元気になれば、地元経済も活気付く」と語った。
 同構法は、これまで一戸建てで19棟の実績を持つ。リモデリングショップ展開開始後、すでに設計12件の受注を受けた。特殊な構法のため、自治体等の理解を得ないと普及は難しいが、首都圏でも横浜市西区で第一号の物件を着工。リモデリングショップの展開と併せ、大都市圏への普及を加速させる。
 「公団や自治体の保有するエレベータのない、いわゆる階段室型の賃貸住宅を、ミラクル構法なら住みながら再生できる。自治体も当初は建て替えが前提と相手にしてくれなかったが、ストック再生待ったなしのいま、考え方が変わってきた。その市場は293万戸・900億円と膨大だ。こうした団地の再生のほか、地元商店街の活性化などにも寄与したい」
 また、現在大きな問題となっている、耐震強度偽装物件についても、積極的にアプローチしていく考えを明らかにした。
 「5階以上を一度減築して、耐震強度を増す。上層階を建築しても、そのままだとしても、居住者の負担は、いま試算されているものより確実に低くなる。取り壊しで担保ゼロになれば銀行だって困るのだから、協力してくれるはずだし、自治体の理解も得やすい。〝火事場泥棒〟と言われるかもしれないが、困っている人に手を差し伸べるのは当然」
 リモデリングショップ、既存の代理店などを合わせ、5年間で500店舗以上のネットワークを構築。株式上場も視野に入れていく。

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