住友林業(株)は、オリジナル開発の木材の高温乾燥システム「MIZDAS(ミズダス)」において、乾燥条件を制御する機能の向上・改良を加え、従来のシステムよりも木材の割れを抑制する高精度の乾燥技術を開発した。
同システムは、乾燥中の木材の乾燥状態を管理しながら、低コストで効率的に高品質の乾燥材に仕上げる高温乾燥システムで、杉・檜などの背割りのない芯持ち角材は乾燥中に材面割れが起こるため、2000年10月に木材内部の含水率と材温計測のセンサー方式を用いた乾燥工程管理によって高温乾燥の効率的な技術を確立したもの。
この度の新機能開発では、木材に取り付けたセンサーにより乾燥状態をリアルタイムに測定し、温度・湿度・風速の適正条件を乾燥炉内につくり、短時間で含水率15%以下の高品質乾燥材を供給するという従来のシステムに、乾燥中の木材の収縮・膨張をモニタリング、従来の含水率と材温の計測に、新たに収縮・膨張を計測する機能を付加して、より高精度の乾燥技術を実現した。
これにより、乾燥中の木材の直接的情報を得られ、乾燥度と挙動(収縮・膨張)を把握して高精度な乾燥制御が可能となり、割れの低減、ねじれ、反りなどの変形の減少、木材の生地色の退色の減少などによる、乾燥材の歩留まり向上および高品質化が見込めるという。
同社は、新機能を実用化した同システムの普及によって、国産材の低コスト高品質乾燥材の安定供給体制の確立をめざすとしている。