国土交通省は23日、06年地価公示を発表した。東京都の住宅地が15年ぶりに上昇したほか、3大都市圏の商業地も変動率がプラスに転じた。経済の回復基調を背景にした不動産取引の活性化により、地価の上昇傾向が鮮明となっている。
全国平均の地価変動率は、住宅地が△2.7%、商業地も△2.7%と引き続き下落はしているものの、住宅地は1.9ポイント、商業地は2.9ポイント下落率が縮小。住宅地は3年連続、商業地は4年連続下落率が縮小しており、地価の回復傾向が継続している。
東京圏の変動率は住宅地が▲0.9%(05年▲3.2%)、商業地1.0%(同▲2.5%)。東京都が住宅地0.8%(同▲1.7%)、商業地3.0%(同▲0.9%)、神奈川県は住宅地▲1.8%(同▲3.7%)、商業地▲1.8%(同▲4.4%)、埼玉県が住宅地▲1.6%(同▲3.4%)、商業地▲1.5%(同▲3.8%)、千葉県が住宅地▲1.2%(同▲4.2%)、商業地0.2%(同▲4.8%)。茨城県が住宅地▲4.5%(同▲7.8%)、商業地▲6.3%(同▲8.9%)といずれも下落率が縮小。東京都は、多摩地域をのぞき住宅地・商業地ともに上昇に転じている。つくばエクスプレスが開業した茨城県守谷市で上昇地点が現われた。
大阪圏も、住宅地が▲1.6%(同▲5.2%)、商業地が0.8%(同▲5.0%)と下落率が縮小しているほか、名古屋圏も住宅地▲1.3%(同▲3.3%)、商業地0.9%(同▲3.3%)と同傾向を示し、東京圏を合わせた3大都市圏全てで商業地変動率がプラスに転じている。
他の地方圏も、住宅地が2年連続、商業地が3年連続で下落率が縮小。札幌市住宅地が平均でプラスになったほか、仙台市、広島市、福岡市、静岡市などで住宅地の上昇地点が増加した。商業地も、都市再生や交通基盤整備などを背景とした地価上昇が見られた。
全国の地価上昇率上位ポイントを見ると、住宅地トップが東京都港区南青山5-5-1の28.8%となったほか、トップ10のうち9地点を港区が独占した。一方、商業地はトップが名古屋市中村区名駅1-2-2の38.0%で、トップ10のうち8地点が同じ名古屋駅周辺部が占めるなど「万博効果」が如実に現われた。