(株)長谷工コーポレーションは23日、樹脂管更生工法を保有する(有)マルナカ(神奈川県茅ヶ崎市、社長:中尾朝夫氏)、ライニング鋼管技術を保有するジャパン・エンヂニアリング(株)(東京都文京区、社長:南雲一郎氏)と共同開発した排水管更新・更生技術「HAM-J(ハムジェイ)工法」が、大規模マンション(横浜市、鉄筋コンクリート造地上5階建て15棟、総戸数440戸、1978年築)で初採用されることとなったと発表した。
同工法は、コンクリート床に埋設されたT型の継ぎ手部分を残して直管部分を切断、T型の継ぎ手部分の内面を目視で研磨洗浄し、繊維補強+エポキシ樹脂でライニングした後、新しい直管を取り付け、接続ジョイント「NO-HUB継ぎ手(ノーハブ継ぎ手)」で継ぎ手部分の管と接合するもの。
コンクリートスラブを壊さずに更新できるため、在来工法である更新工法(配管の交換)や更生工法(吹付ライニング)と比べ、工事の騒音・振動を抑えることができるほか、施工状況を具体的に目視で確認しながら施工できるため信頼性が高いこと、1~5階の縦系統の工事を1.5日程度で終えて通水できるため、居住しながら施工が可能なことなどが特徴となっている。
なお同工法は、国土交通省および独立行政法人都市再生機構から「既存共同住宅団地の再生を促進し、課題解決に資する提案」として選定を受けている。
今回初採用となったマンションにおける工事期間は2006年5月15日から約2ヵ月間。耐久性、信頼性に加えて、居住しながら短期間で施工できることや工事騒音が小さいことが管理組合に評価されたとしている。
同社はこれを契機として、同社が施工・管理するマンションだけではなく他のマンションの管理組合に対しても、同工法によるマンションの共用部排水管リフォームを、積極的に提案していく方針。