分譲マンション事業の総合コンサルティングを手掛ける(株)トータルブレイン(東京都港区、代表取締役社長:久光龍彦氏)はこのほど、「成功する郊外小規模物件検証」と題したレポートを発表した。
販売好調の分譲マンション市場下にあって苦戦しているケースが多い「郊外の小規模」物件のなかで「勝ち組」となった6物件をピックアップ。「立地(マクロ・ミクロ)」「配棟」「ユニットプラン」「販売価格」など9項目を検証し、「成功の秘訣」を10項目にまとめた。検証した物件は、「レーベンハイム和光」(埼玉県朝霞市、売り主:タカラレーベン、総戸数46戸)、「クリオふじみ野」(埼玉県富士見市、売主:明和地所、総戸数68戸)、「レクセルグランデ新越谷」(埼玉県越谷市、売り主:扶桑レクセル、総戸数54戸)、「アデニウム蘇我」(千葉市中央区、売り主:ジョイント・コーポレーション、総戸数48戸)、「アンビシャス豊四季」(千葉県柏市、売り主:アンビシャス、総戸数58戸)、「ブランズ美しが丘二丁目」(横浜市青葉区、売主:東急不動産、総戸数33戸)。
検証した物件は、マクロ立地は平凡なものが多かったが、生活利便性、希少性、再開発などの将来性に富んでいた。また、ユニットプランは、ワイドスパン、2・3面バルコニー、などの工夫を施したものが多かった。仕様設備については、価格の見合いから平均レベルにとどまっているが、セキュリティや水周り、駐車場、中庭など「ここぞ」という部分での付加価値付けが目立った。
価格については、どの物件も相場の15%程度割高の設定だったが、需給バランスの良好なエリアが多いほか、ターゲットの購入体力に合わせて巧みな面積・価格設定がなされているものが多かった。
これらを踏まえ同社は、郊外小規模物件の成功の秘訣として、(1)相場の10%~15%割高な価格をさまざまな付加価値でカバーする(2)民力とのマッチングができている(3)ワイドスパン、多面採光ベースのプランニング(4)エリアの需給バランスが良好(5)平均坪単価よりユニット毎の値付けが重要(6)駅近、希少性地位、再開発・将来性など立地に強み(7)住戸方位(南面系重視)(8)仕様・設備・グレードは高くなくともいい(9)共用付加価値は駐車場100%やセキュリティ(10)強い販売力(6社中、5社が自販部隊を持つ)をあげた。