不動産ニュース / 調査・統計データ

2006/9/22

「新価格物件」15%アップなら吸収可能/トータルブレインが分譲マンション市場「06年後半戦」を展望

 分譲マンション事業の総合コンサルティングを手掛ける(株)トータルブレイン(東京都港区、代表取締役社長:久光龍彦氏)はこのほど、「06年首都圏マンション市場前半戦総括と後半戦の展望」と題したレポートを発表した。ここ数年の高値仕入れを背景にしたいわゆる「新価格物件」の動向などを中心に市場を展望している。

 2006年前半の市場については、ディベロッパーが「高値待ち」をしたこともあり供給ボリュームが前年比10%強縮小(約3万4,000戸)となり、さらに後半偏重型の市場になったと分析。また、都心・近郊部での土地価格上昇の影響から、埼玉・千葉エリアでの供給増が続いているとした。市場価格は上昇したが、新価格物件の供給が少なかったため、首都圏平均で2.6%程度にとどまっている。
 販売価格が前年相場より15~30%上昇している「新価格物件」はいくつか販売、プレセールスが見られたが、再開発や新線新駅エリア、複合・タワー・駅前立地といった希少価値の高い競争力のあるものについては売れ行き好調。また、それら物件の平均価格上昇率は14.8%だった。

 一方後半戦は、夏場を過ぎてから新価格物件のプレセールスが本格化。これらの物件が平均22%程度の価格上昇となっているものの、郊外部の条件の劣る立地や超郊外部については横ばい~10%アップが限界と見られることから、首都圏全体では2007年前半まで10~15%程度の価格上昇と予測。直近の入札事例でも高値落札が継続していることから、さらに2007年後半以降5%前後価格が上昇するとしている。

 売れ行きについては、(1)好調が続く企業業績、オフィス需要の拡大、路線価の上昇、原油値上がりによる建築資材高騰などがマンションの値上がり要因となること(2)購入環境は価格の上昇に加え、金利上昇、住宅ローン減税縮小、消費税率アップの現実味、耐震偽装問題による商品品質の向上などますます厳しくなることから、「今が買い時」との見方がさらに強くなると分析。さらに団塊ジュニア層のマンション購入が本格化することで、ターゲットボリュームも引き続きキープできるとしている。
 新価格についても(1)現在の返済負担率20%を25%まで上げれば、金利が0.5%上昇しても借入れ可能額が16%アップできる(2)年収アップや共稼ぎによる合算年収、親からの贈与率アップなど購入条件向上の要素、を考えれば、ユーザーの買いあがりが充分考えられるとした。

 ただし、ユーザーは売値アップを許容する代わりに中身の充実(立地、商品企画、売値の適正さ、ブランド力、安全性)をハイレベルで求めるようになっており、「それらの事業判断を慎重かつ丁寧に行なっていく正確性・確実性がより求められる時代に変わっていく」とまとめている。

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