不動産ニュース

2007/1/5

「2007年 年頭挨拶」(業界団体)

(社)全国宅地建物取引業協会連合会・(社)全国宅地建物取引業保証協会 会長 藤田 和夫 氏
(社)不動産流通経営協会 理事長 三浦 正敏 氏
(財)日本賃貸住宅管理協会 会長 亀山 征夫 氏
(社)不動産証券化協会 理事長 岩沙弘道 氏 (順不同)


■(社)全国宅地建物取引業協会連合会
 (社)全国宅地建物取引業保証協会 会長 藤田 和夫 氏

“進取の気性”でオピニオンリーダーの役割を
業界最大団体として、国民の住生活の改善・向上を目指す

 本会では、不動産の有効活用、流動化の推進を図り、全国的な資産デフレ脱却を目指して、昨年末に精力的な要望活動を展開しました。その結果、「特定事業用資産の買換特例制度」をはじめとして、「住宅に係る登録免許税の軽減措置」や「居住用財産の買換特例制度」等の各種特例措置の適用期限の延長のほか、三位一体改革に伴う「住宅ローン減税」についても従来と同様の効果を確保することができ、また新たに「住宅のバリアフリー改修に係る減税制度」が創設されました。今回の税制改正は減価償却制度の見直し等、企業減税中心でしたが、本会主導による関係各方面への要望活動により、土地住宅税制についても充分な成果を勝ち取ることができましたのは、皆様方のご協力の賜物であり、感謝申し上げる次第です。
 さて、一昨年10月より全国展開を開始した「全宅住宅ローン株式会社」は、会員の皆様方の絶大なご支援を賜り、お蔭様で昨年末では融資実行件数が1,500件超となり、さらなる利用促進を図るため、各地域の12金融機関とも提携しました。今後とも皆様方のさらなるご利用を期待する次第です。
 また、改正保険業法が施行されたことに伴い、従来の共済制度が「少額短期保険」になることにより、本会は金融庁より少額短期保険募集人試験実施を認定され、既に1万人の方が受験されており、今年もブロックごとでの開催をします。
 また、賃貸不動産管理については、他団体と資格研修制度を統一化するため協議を重ねており、19年度からの実施を目指していきます。
 さらに、新しい課題として「インターネットを利用した不動産オークション」が話題となっていますが、私の基本的な考えは「不動産取引に業者が介在すること」は不可欠であると考えており、消費者にとっても、価格の透明性確保、信頼できる物件調査(デューデリジェンス)は必要で、オークションも不動産取引の選択肢の1つとしてあるべきです。私はこれらの課題を早急に研究し、オークションに関する全宅連公認基準を定めるべく官民を委員とした研究会を立ち上げており、“進取の気性”で取り組む所存です。


■(社)不動産流通経営協会 理事長 三浦正敏氏

 昨年の不動産市場を振り返りますと、大都市部を中心として、マンション分譲やオフィスビル事業の活発な動きの中で、仲介・賃貸の各事業も概ね好調さを持続しております。しかしながら、全国的にみますと、なお地価の下落傾向は続いており、この資産デフレ状況を脱却するとともに、経済をさらに活性化し、国民生活を豊かにするためには土地・住宅の流通拡大に寄与する政策を進めていくことが強く求められております。
 このような経済環境のもと、昨年末発表された与党税制改正大綱におきましては、当協会の重点要望事項であった、「特定の居住用財産の買換え等に関する特例」を始めとして、「住宅用家屋についての登録免許税の軽減措置」等の住宅に関する各特例措置の延長や、「住宅ローン減税の効果の確保」、「バリアフリー改修促進税制の創設」が図られたことは、住宅流通市場に与える影響に配慮されたものとして評価できるものであります。
 また、昨年は、国の住宅政策が大きく転換した1年でありました。
 「住生活基本法」が6月に施行され、従来の「量」の確保を図ることを目指した「住宅建設計画法」の枠組みから、「豊かな住生活を実現」するため、①良質な住宅ストックの形成、②住宅の取引の適正化、流通の円滑化のための住宅市場の環境整備、③住宅のセーフティネットの構築による、住生活の「質」の向上を図る政策への本格的な転換を図る道すじが示されました。
 当協会におきましても、住生活基本法施行を踏まえ、有識者からなる「既存住宅の流通促進に関する研究会」を9月に設置し、①既存住宅流通量の把握方法②既存住宅流通促進のための住宅検査のあり方③住宅の質と価格評価の関連性についての基礎的研究を行なってまいりました。今後これらの研究成果を踏まえ、既存住宅流通市場の活性化に向けての条件整備等具体的な方策の展開について、積極的な提言を行ってまいりたいと思います。
 今年は、経済に与える影響も大きいと予測されている団塊の世代の大量退職が始まる年であります。私ども不動産流通業界は多様化する消費者のニーズに応え、円滑な住み替えを通じて居住水準の向上を図るという、大きな社会的使命を担っています。そのためにも、不動産流通を促進するための国の政策、制度面からの支援等が期待されるところであり、本年は、こうした視点から積極的な検討や提言をしてまいる所存です。

■(財)日本賃貸住宅管理協会 会長 亀山征夫氏

 近年、賃貸住宅市場を取り巻く環境は大きく変化しております。特に入居条件においては、古くから日本の慣習であった連帯保証人制度に代わり、事業者(機関)が保証人となる保証形態が多く見られるようになってきました。当協会は昨年、こうした事業者とともに「賃貸保証制度協議会」を立ち上げました。この協議会では、業務適正化に係る自主ルールを定めるなど、賃借人・賃貸人双方にとって分かりやすい保証制度の確立を目指しております。
 当協会は今年も、賃貸住宅市場の健全な発展を目指し、賃貸住宅管理を通じ豊かな国民生活の実現を図ってまいります。

■(社)不動産証券化協会 理事長 岩沙弘道氏

 本年は、金融商品取引法の施行が予定され、不動産証券化市場をめぐる環境が大きく変化しようとしています。地価の反転や金利の上昇局面といった市場環境の変化も視野に入れなければなりません。さらには、市場のグローバル化が急速に進展するなか、海外不動産への投資環境の整備も進めるとともに、グローバルな競争への対応を意識することも必要になるでしょう。まさに、わが国不動産証券化市場の新たな時代の始まりとも言えます。
 こうした新しい時代を迎えるにあたって何より大切なことは、わが国の不動産証券化市場が、従来にも増して内外の幅広い投資家層からの信任を受ける、公正で透明性の高い市場に進化することです。あらためて市場参加者全体で法令遵守を徹底し、内部管理体制の強化に努めるとともに、投資家の信頼に応え得る人材の育成、市場における情報インフラの整備などに取り組んでいきたいと思います。
 さらに当協会では、年金基金に不動産投資への理解を深めていただくなど、投資家の幅と裾野を広げる活動に注力するとともに、不動産証券化の地方への普及や公的セクターでの活用、一般事業会社にもさらなる活用を促すなど、より厚みのある市場の構築に向けた取組みを充実させてまいります。
 以上のように課題は山積しておりますが、本年も当協会が果たす役割と重要性はますます高まっていくと認識し、積極的に取り組んでまいりたいと存じます。

動画でチラ見!

第18回 ジバコー 「原点」を語る

ニュースはこちら

新着ムック本のご紹介

ハザードマップ活用 基礎知識

不動産会社が知っておくべき ハザードマップ活用 基礎知識
お客さまへの「安心」「安全」の提供に役立てよう! 900円+税(送料サービス)

2020年8月28日の宅建業法改正に合わせ情報を追加
ご購入はこちら
NEW

月刊不動産流通

月刊不動産流通 月刊誌 2025年6月号
本業に意外な効果!?不動産事業者のサイドビジネス
ご購入はこちら

ピックアップ書籍

ムックハザードマップ活用 基礎知識

自然災害に備え、いま必読の一冊!

価格: 990円(税込み・送料サービス)

お知らせ

2025/5/12

記者の目を公開しました

「シロアリ被害、発見できるのは今!」を更新しました。
知らずに進行するシロアリ被害…放置すると建物強度が低下。また、気が付かずに売却をしてしまえば契約不適合責任に当たることも…!? 早期発見が望まれますが、普段は床下でうごめいていて自分で見つけるのは難しいものです。しかし春から夏はシロアリが発見しやすくなるチャンスタイムだとか…?専門事業者を取材しました。